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【レンタルの新潮流④】 多様な品目そろえる、「規模が出れば良い事業に」

2018年11月29日 13:20

 最近はベンチャーを中心にネットレンタル事業への参入が増えているが、2010年4月と比較的早い段階からサービスを手がけているのが動画コンテンツの配信などを手がけるDMM.comだ。売上規模は非公表だが、ここ数年はネットレンタルサービスの浸透も追い風となり、伸び率は前年比で20~30%拡大している。

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 同社のレンタルサービス「DMMいろいろレンタル」は特定の商材に絞らずに幅広くアイテムをそろえている。レンタル事業部の宮前英明事業部長によると、「最初はブランドバッグやドレスなど女性に特化していたが、数カ月後にはさまざまなものを扱うようになり、『いろいろレンタル』の原型ができあがった」という。

 現在のアイテム数は4000程度。「いろいろレンタル」の名称通り、扱っているものは多種多様。礼服などのファッションアイテムから、パソコン、家電、スポーツ、アウトドアなどシーン別に細かくそろえる。中にはロボットの「ペッパー」や高級車、さらには法人限定で草刈り用にヤギも貸す。

 季節ごとに人気の品も変わる。3月、4月は卒業・入学の時期なので子供や親の服、11月は七五三の衣装。年末の大掃除に向けて高圧洗浄機の需要が増えていく。

 商品は基本的に中古で、返却後にメンテナンスや脱臭処理を施す。レンタル期間は1日単位で借りることが可能で、ベビーベッドなど数カ月使うモノは1カ月から半年など、商品の特性別に期間を分けている。

 「いろいろレンタル」は、旅行用のスーツケースや出産後のベビーベッドなどスポットの利用が多いが、最近では購入前のお試し用のサービスとして「おためしレンタル」を始めた。ユーザーが高級家電などをレンタルで試してみて、買う際の参考にしてもらうのが狙い。

 「メーカーとユーザーの接点となり、アンケートなどで声を吸い上げて、メーカー側に伝える」(宮前部長)。これまでにホームベーカリーやドローン、焙煎機などの貸し出しを行っている。

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 前号でとりあげたストライプインターナショナルと同様にDMM.comも自社でネット販売とレンタルの2つのビジネスを行っている。DMMの場合、レンタルサービスの売上規模は通販に比べるとまだ小さい。それでも「サービスの満足度は高い。認知が低く規模が出ていないが、規模が出れば良い事業になる」(同)とみている。

 通販とレンタルを手がける同社だが、2つの事業の共存は可能だろうか。

 宮前部長は「どの高圧洗浄機にしようか迷っている人が、DMMで試してみて良かったので買うこともある。まずは使ってもらう、体験してもらうのも販売につながるポイント」と述べる。

 同社は「いろいろレンタル」よりも前から、DVDのレンタルを行いつつ、同時に販売もしている。そのビジネスモデルで成長してきた。二者択一ではなく、通販とレンタルが互いに補完し合うのが、同社の強みとも言えるのかもしれない。(つづく)
 
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