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韓国EC市場レポート by CAFE24② サイズ革新で年商40億円達成、アパレル通販「ホットピング」 

2017年11月27日 11:08

ホットピングのECサイト.JPG
 2013年、金・ヨジンCEOが立ち上げたEC発ブランド「ホットピング(hotping.jp)」は、頻繁に変わるトレンドに対応し、様々な商品をリーズナブルな価格で提供しています。昨年は総売上高400億ウォン(約40億円)を達成し、10~20代女性からの支持を基に韓国を代表するアパレル通販として成長を遂げています。

 金CEOは事業開始当初、女性衣料市場を分析したところ、ぽっちゃり系の女性は服を買う際に体型をカバーすることだけを考え、デザインはあまり気にしない傾向があることに着目しました。この着眼点から、女性が好む「フィット感」を実現したトレンディな服を多彩なサイズ(S~2XL)で製作し始めました。

「魔法パンツ」 年間100万枚販売

 「サイズ革新を図るため、システムの内製化に取り組んだ結果、品質や価格競争力を高めることができました。これにより、コーディネートに悩む女性客の確保が可能となり、10~40代までの幅広い顧客を持つようになりました」(金CEO)

 このような取り組みで「ホットピングサイトには、ファッションに必要なあらゆるアイテムがある」と口コミで広がることになりました。特に、様々なサイズで多くのアイデア商品を企画できるホットピングのコア競争力により、顧客は体型を意識することなく、感覚的なデザインの衣類を購入できるようになりました。

 ホットピングの代表的な企画商品として「魔法パンツ」があります。韓国はもちろん、日本でもヒットしたオリジナルジーンズで、発売から1年で100万枚以上を販売するほど人気を集めています。ぽっちゃり系女性でも、気楽な着用感と優れたフィット感で着用できるとの評判が続いています。

魔法.JPG
日本向けサイトで年商3億円 

 このように韓国で成長を重ねたホットピングは、韓国国内に留まらず、越境ECにも積極的な動きを見せています。2015年からはグローバルECプラットフォーム「cafe24」を利用し、日本語、中国語(簡体、繁体)、英語サイトを開設し、国別越境EC展開に取り組んでいます。

 最も反響がある市場は、韓国とファッショントレンドが類似している日本市場です。ホットピングの日本語のECサイトでは、16年に売上高30億ウォン(約3億円)を達成するなど人気を集めています。日本での人気の要因についてホットピング側は、韓国アパレルを好む日本若年層の増加や自社サイト運営で培ったノウハウだと分析しています。

 実際、ホットピングの日本語サイトにおける売れ筋商品と利用客は、韓国と類似したパターンを示しているようです。これに加え、日本市場や顧客特性を反映した運営戦略にも取り組んでいることが奏功しています。

日本向けの宅配や決済を導入 

 たとえば、詳細ページやサイト利用規約など、細かいところまで日本語で案内していて、クレジットカードの利用率が低い若年層の特徴を踏まえて、口座振込やコンビニ後払いなど様々な決済を提供しています。また、安全かつ安心な配送のため、ヤマト運輸などの宅配サービスで信頼性の高いサイト構築にも力を入れています。

 顧客の関心を引くイベントやSNSアカウントを通じた取り組みも人気の秘訣です。「シーズン別割引」、「送料無料イベント」を含め、「宝くじイベント」など顧客が気軽に参加できる企画を提供し、自社サイトへの流入向上を図っています。また、公式インスタグラムアカウントで顧客との活発なコミュニケーションを行い、リピーター確保にも力を入れています。

 金CEOは、今後の計画について、次のよう話しています。

 「日本市場でも徐々に成長を遂げていて、今年の年商は50億ウォン(約5億円)を目指しています。今後も、リピーター確保やブランド認知度向上を図るとともに、単なるECサイトではなく、日本のお客様と楽しい思い出が作れるブランドになりたいです」

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