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髙島屋 カタログ「素敵世代」が好発進、受注額は計画比5割増

2017年 1月20日 13:02

041.jpg 高島屋は、昨年11月にリニューアルしたシニア女性向けのファッション通販カタログ「素敵世代」が好発進している。

 同社クロスメディア事業部では、カタログ事業については売り上げよりも営業利益を重視した改革に着手しており、昨年11月発行の冬号からは総合カタログを年9回から4回の季刊誌に縮小し、下期(9~2月)にも同事業の黒字化を目指している。

 衣料品分野ではカタログの季刊誌化に合わせて中身を刷新。主力媒体で50~60代向けの「タカシマヤファッション」と、60代後半~70代をターゲットにした「素敵世代」とはこれまで、テイストなどが重なる部分もあったが、今回のリニューアルで両媒体の住み分けを明確にしたという。

 元々、同社は2105年にファッションカタログを刷新し、トレンド発信を含めたファッション提案の要素を強めることで誌面と商材の新しさを打ち出し、タカシマヤ友の会を中心とした百貨店店頭の組織顧客の開拓を目指した。

 こうした取り組みは消費者から支持され、店頭顧客の取り込みで一定の成果を上げたが、既存顧客からは「年配向けの服が減った」「自分が買いたいと思う服がなくなった」などの声が上がってきたため、昨年の冬号から「タカシマヤファッション」はよりファッショナブルなアイテムに絞り込み、「素敵世代」は外出する機会の多いアクティブシニアに向けて、素材の良さや着心地を重視したファッション商材を提案することにした。

 季刊誌とする前の「素敵世代」は16~34ページ建てで展開していたが、冬号は約80ページに、カタログの配布部数も従来の20万部から30万部強に増やした。

 表紙モデルには、江戸川大学の客員教授も務めるモデルの久保京子さんを起用。主力媒体はコーディネートで見せることが多いが、「素敵世代」は単品を重視し、シルクやカシミヤといった素材を切り口にトレンド感をさし込んだ。1ページにアイテムを詰め込まず、各商品の特徴をしっかり打ち出したという。

 価格戦略については、カタログの後半に安価なアイテムをそろえるなど、既存顧客に支持される価格帯を意識した。

 また、カタログの刷新に伴って制作プロダクションを変更したほか、通常、80ページ規模のカタログは複数のバイヤーでMDを組むが、冬号はひとりのバイヤーが専任で担当。全体のトーンやテイストをそろえてMDを組んだ。

 大幅リニューアルした「素敵世代」の反響は想定以上で、11月上旬~年末までの受注額は計画値の1・5倍と上々のスタートを切り、購入者もターゲット層である60代後半~70代が増えた。

 当該号では、上質なイタリア製生地を使用し、暖かいのにすっきりとしたシルエットと軽さが特徴の「軽量ウール混ジャケット」(税込1万4900円)や、新潟県栃尾・見附地方に伝承される技で織り上げたウールと綿のこだわり素材を使用した「チュニックブラウス」(同2万1600円)、羽毛を表地の裏に直接注入することで軽く暖かに仕立てたダウンコートで、V字ステッチと斜めの切り替えラインがエレガントでほっそり見せる「フォックスファー付ストレッチダウンコート」(同2万9000円)が売れ筋トップ3という。

 次回の「素敵世代」は3月発刊の春号(84ページ)を予定しているが、購入頻度の高い7万~10万人の顧客には新年号として薄いカタログを配布している。

 今後は顧客ニーズをくみ取りながら、ファッション雑貨や肌着などの拡充も検討していく。年間トータルの発行回数は減らすものの、1回当たりのページ数を増やすことで売り場面積は同水準を維持し、前年比30~40%増の売上高を目指すとしている。

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