6割が継続利用で手ごたえ、アマゾン人気商品や食品が売れ筋 アマゾンジャパンが有料会員「Amazonプライム会員」向けに展開する受注から1時間以内、ないしは2時間刻みの定期便で宅配するスピード配送サービス「Prime Now(プライムナウ)」のカバーエリアを拡大している。11月15日からは東京・豊島区に新配送拠点を稼働させ、東京23区全区をサービス対象エリアとした(
関連記事はこちら)。昨年11月のスタートから1年が経過した同サービスの現状はどうなっているのか。同社の永妻玲子Prime Now事業部長(=写真)に現状と今後の方向性などについて聞いた。(11月15日開催の記者会見での本誌記者を含む報道陣との一問一答から抜粋・要約)
――スタートから1年が経過したが現在までの利用状況は。
「サービス開始以来、利用者数は毎月、順調に推移しており、成長を続けている。プライムナウを1度でも利用されたことのあるお客様のうち、6割以上が継続的に利用頂いており、手ごたえを感じている」――利用者が増加している理由は。
「プライムナウがお客様に提供できる高い利便性によるものだと思う。幅広い商品を1時間以内というアマゾン最速の配送スピードでお届けできるという利点はもちろんだが、それに加えて早朝から深夜まで1時間ないしは2時間刻みでお客様が好きな配送時間を"より詳細"に選べることができるため、荷物を受け取る際のよくある不便さ、例えば、受け取りを『午前中』に指定したら結局、お昼ころ届いたために午前中を丸々、無駄になってしまったというような『商品を受け取る負担』の一部を軽減できる。こうした点もプライムナウのサービスの特性だと考えている」――「プライムナウ」現在の取扱商品数は。
「サービス開始当初は1万8000点程度から始めたが、現在では6万5000点の品ぞろえとなっている。年初からは従来、Amazon.co.jpでは扱いがなかった牛乳や卵といった冷蔵商品を中心に食品の拡大に取り組んできた。食品以外ではAmazon.co.jpでの売れ筋、例えば、モバイル・PC周辺機器、季節家電、ドラッグストア商品、おむつなどのベビー用品などをプライムナウで取り扱い始めた。また、日常的に使用するような商品だけでなく、ちょっとこだわりのある食品もニーズが非常に多いことが分かり、今年10月からは『こだわり食品ストア』という専用コーナーを設けて中価格帯のより上質な食料品や飲料の紹介を始めた。また、ワインの品ぞろえも増やしている。特にこれからクリスマスシーズンで需要が増すスパークリングワインなどは最大150銘柄ほどそろえ、ほとんどは冷えた状態でお届けできる。また、プライムナウのサービス特性を活かして、話題の玩具を発売日当日の朝から届けたり、『ボジョレー・ヌーヴォー』の販売解日当日の深夜12時に届けるなどの試みも行っている」
――プライムナウでの売れ筋は。
「先ほど申し上げたようなAmazon.co.jpでの売れ筋や『こだわり食品』などはよく売れている。また、当初は利便性という観点からバラ売り、単品での販売をメインにしていたが、実際にやってみると複数まとめて購入される場合が非常に多く、ケース販売できる商品を増やしている」――利用者の属性は。
「お客様に性別や年齢を伺っておらず、詳しい顧客属性は分からないが、商材などから推測するに恐らく主婦層も多いのではないか」――利用が多い時間帯は。
「朝は6~8時の2時間枠を指定して定期的に利用されるお客様も多い。出勤前に受け取りたいというニーズだろう。その際に売れる商品は食品なども多い。朝食需要であったり、お弁当用の冷凍食品なども多く売れている。午後8時以降も多い。仕事を終わり、恐らく会社を出る前や電車の中から注文して受け取れる時間だからだろう。それ以降、深夜帯の注文も一定数ある。帰宅された後で、自宅でリラックスしながら楽しめる、雑誌やDVD、ゲームソフトのような娯楽品などが売れている。また、特に天気の悪い日などは外に出ないで買い物をしたいというニーズがあり、通常は皆様がスーパーに買い物に行かれるような夕方にも込み合うこともある」――1時間以内配送と2時間便、利用はどちらが多いのか。
「先ほど申し上げように、ある程度、決まった時間で、例えば、出勤前に受け取りたいという方は6~8時の2時間便を定期的に利用している。ただ、外出先から帰宅した後で外に出るのが面倒だとか、先ほど申したように天気の悪い日などは、いつも2時間便を利用されている方も1時間便を使われるというパターンも多く、状況によって使い分けられている」――早朝・深夜の配達は配送員の確保が大変ではないか。
「ここは我々のこれまでの経験がかなり活きている。Amazon.co.jpで、また他国のPrime Nowで早朝・深夜にどのくらいの注文が入るのかなど予測が立てられるので、それを基にどの程度の人が必要かという計画が立てそれに応じて十分かつ必要な人員を確保できている」
――とは言え人件費がかさみそうだ。
「そこはお客様が増えて注文をたくさん頂けるようになることで解決できる。きちんとお客様が注文頂ける状況を作っていく方が優先度は高い」――課題は。
「1つは配送エリアだ。今回、豊島区内の新拠点の稼働で東京23区全区を対象エリアとしたが、区によっては全域を網羅できていないところもある。例えば豊島区は全域をカバーしているが新宿区はそうではない。プライムナウはプライム会員向けの1つの特典だ。会員はすべからく利用できるようにしていきたい。プライム会員がたくさんいる地域に優先的に拠点を作っていき、なるべく多くの会員に提供していきたい」
アマゾンジャパンが有料会員「Amazonプライム会員」向けに展開する受注から1時間以内、ないしは2時間刻みの定期便で宅配するスピード配送サービス「Prime Now(プライムナウ)」のカバーエリアを拡大している。11月15日からは東京・豊島区に新配送拠点を稼働させ、東京23区全区をサービス対象エリアとした(関連記事はこちら)。昨年11月のスタートから1年が経過した同サービスの現状はどうなっているのか。同社の永妻玲子Prime Now事業部長(=写真)に現状と今後の方向性などについて聞いた。(11月15日開催の記者会見での本誌記者を含む報道陣との一問一答から抜粋・要約)
――スタートから1年が経過したが現在までの利用状況は。
「サービス開始以来、利用者数は毎月、順調に推移しており、成長を続けている。プライムナウを1度でも利用されたことのあるお客様のうち、6割以上が継続的に利用頂いており、手ごたえを感じている」
――利用者が増加している理由は。
「プライムナウがお客様に提供できる高い利便性によるものだと思う。幅広い商品を1時間以内というアマゾン最速の配送スピードでお届けできるという利点はもちろんだが、それに加えて早朝から深夜まで1時間ないしは2時間刻みでお客様が好きな配送時間を"より詳細"に選べることができるため、荷物を受け取る際のよくある不便さ、例えば、受け取りを『午前中』に指定したら結局、お昼ころ届いたために午前中を丸々、無駄になってしまったというような『商品を受け取る負担』の一部を軽減できる。こうした点もプライムナウのサービスの特性だと考えている」
――「プライムナウ」現在の取扱商品数は。
「サービス開始当初は1万8000点程度から始めたが、現在では6万5000点の品ぞろえとなっている。年初からは従来、Amazon.co.jpでは扱いがなかった牛乳や卵といった冷蔵商品を中心に食品の拡大に取り組んできた。食品以外ではAmazon.co.jpでの売れ筋、例えば、モバイル・PC周辺機器、季節家電、ドラッグストア商品、おむつなどのベビー用品などをプライムナウで取り扱い始めた。また、日常的に使用するような商品だけでなく、ちょっとこだわりのある食品もニーズが非常に多いことが分かり、今年10月からは『こだわり食品ストア』という専用コーナーを設けて中価格帯のより上質な食料品や飲料の紹介を始めた。また、ワインの品ぞろえも増やしている。特にこれからクリスマスシーズンで需要が増すスパークリングワインなどは最大150銘柄ほどそろえ、ほとんどは冷えた状態でお届けできる。また、プライムナウのサービス特性を活かして、話題の玩具を発売日当日の朝から届けたり、『ボジョレー・ヌーヴォー』の販売解日当日の深夜12時に届けるなどの試みも行っている」
――プライムナウでの売れ筋は。
「先ほど申し上げたようなAmazon.co.jpでの売れ筋や『こだわり食品』などはよく売れている。また、当初は利便性という観点からバラ売り、単品での販売をメインにしていたが、実際にやってみると複数まとめて購入される場合が非常に多く、ケース販売できる商品を増やしている」
――利用者の属性は。
「お客様に性別や年齢を伺っておらず、詳しい顧客属性は分からないが、商材などから推測するに恐らく主婦層も多いのではないか」
――利用が多い時間帯は。
「朝は6~8時の2時間枠を指定して定期的に利用されるお客様も多い。出勤前に受け取りたいというニーズだろう。その際に売れる商品は食品なども多い。朝食需要であったり、お弁当用の冷凍食品なども多く売れている。午後8時以降も多い。仕事を終わり、恐らく会社を出る前や電車の中から注文して受け取れる時間だからだろう。それ以降、深夜帯の注文も一定数ある。帰宅された後で、自宅でリラックスしながら楽しめる、雑誌やDVD、ゲームソフトのような娯楽品などが売れている。また、特に天気の悪い日などは外に出ないで買い物をしたいというニーズがあり、通常は皆様がスーパーに買い物に行かれるような夕方にも込み合うこともある」
――1時間以内配送と2時間便、利用はどちらが多いのか。
「先ほど申し上げように、ある程度、決まった時間で、例えば、出勤前に受け取りたいという方は6~8時の2時間便を定期的に利用している。ただ、外出先から帰宅した後で外に出るのが面倒だとか、先ほど申したように天気の悪い日などは、いつも2時間便を利用されている方も1時間便を使われるというパターンも多く、状況によって使い分けられている」
――早朝・深夜の配達は配送員の確保が大変ではないか。
「ここは我々のこれまでの経験がかなり活きている。Amazon.co.jpで、また他国のPrime Nowで早朝・深夜にどのくらいの注文が入るのかなど予測が立てられるので、それを基にどの程度の人が必要かという計画が立てそれに応じて十分かつ必要な人員を確保できている」
――とは言え人件費がかさみそうだ。
「そこはお客様が増えて注文をたくさん頂けるようになることで解決できる。きちんとお客様が注文頂ける状況を作っていく方が優先度は高い」
――課題は。
「1つは配送エリアだ。今回、豊島区内の新拠点の稼働で東京23区全区を対象エリアとしたが、区によっては全域を網羅できていないところもある。例えば豊島区は全域をカバーしているが新宿区はそうではない。プライムナウはプライム会員向けの1つの特典だ。会員はすべからく利用できるようにしていきたい。プライム会員がたくさんいる地域に優先的に拠点を作っていき、なるべく多くの会員に提供していきたい」