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DeNA 仮想モールをKDDIに63億円で譲渡、近年は流通額伸び悩み

2016年10月13日 18:00

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は10月6日、仮想モール「DeNAショッピング」と「auショッピングモール」を、KDDI(同社・東京都千代田区、田中孝司社長)に譲渡すると発表した。譲渡額は63億円(DeNAショッピングが31億5000万円、auショッピングモールが31億5000万円)となる。

 7日にDeNA子会社として、新たに「Deコマース」を設立。社長にはDeNA子会社でKDDIも出資する、モバオクの八津川博史社長が就任する。新会社にDeNAのDeNAショッピング事業と、モバオクが運営するauショッピングモール事業を吸収分割で承継。その後、12月28日付でDeNAとモバオクが保有するDeコマースの全株式をKDDIに譲渡する。これまで店舗のサポートなどは、DeNAが行ってきたため、DeコマースにはDeNAから100人以上が転籍・出向する。

 DeNAでは、仮想モール事業譲渡の理由について「仮想モール事業の今後の発展に向けて、KDDIへの譲渡が一番良いと考えた」(DeNA広報部)と説明。一方、KDDIでは買収理由を「au経済圏拡大を進めるために、物販事業をさらに強化していきたい」(KDDI広報部)としている。

 DeNAショッピング事業の2016年3月期売上高は30億5400万円、営業利益は4億9300万円。auショッピングモール事業の16年3月期売上高は21億9100万円、営業利益は8200万円だった。仮想モール(DeNAショッピング、auショッピングモール、SEIYUドットコムなど)の16年3月期取扱高は、前期比3%減の622億円。内訳は明らかにしていないが、auショッピングモールの流通額の方が多いとみられる。

 利用企業は、DeNAショッピングに出店すると、自動的にauショッピングモールにも出店する仕組みだった。今後、両モールを統一するかどうかや、Deコマースの社名を変更するかについては「未定」(KDDI広報部)としている。

 DeNAでは1999年、ネット競売サービスとして「ビッダーズ」を開始。その後、2001年5月にショッピング機能を追加。13年1月にDeNAショッピングに名称を変更していた。ただ、近年は取扱高が伸び悩んでいた。一方、auショッピングモールは、DeNAとKDDIの協業で06年にスタートしている。

 西友と組んだ「SEIYUドットコム」は残るものの、今回の事業譲渡でDeNAは仮想モール事業から事実上撤退することになる。

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