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在京テレビキー局5社のTV通販の現状① キー局5社の前期TV通販売り上げ、ディノス・セシールが2割増で首位に

2016年 5月26日 10:38

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在京テレビキー局5社が手がけるテレビ通販事業の2016年3月期の業績が出そろった。前年は消費増税の影響などで各社の苦戦が目立ったが、当期は暖冬の影響で下期は伸び悩みは見られたものの各社とも概ね前年実績を上回って着地した。

前年比2割増で2期連続トップ

 在京キー局が手がけるテレビ通販売上高で首位に立ったのはディノス・セシール。2015年度に6年ぶりにトップを奪還した同社だが、引き続き、首位をキープした。総売上高である1196億6200万円(前年比1・9%増)に占める通販売上高は1122億800万円(同2・0%増)でこのうち、テレビ通販売上高は前年同期比19・2%増の126億3500万円だった。

 昨夏に販売を始めた独自の立体的な振動による高い運動効果のある運動器具「3Dエクサウェーブ」が大ヒット。また、美容機器や掃除機などが主力の平日午前枠を軸に売り上げを伸ばした。このほか、年4回放映した通販特番も売り上げを伸ばした。

各枠放送分数減で売上は微減に

 日本テレビ放送網の前期の通販売上高は前年比2・6%減の88億4200万円だった。

 年間売上10億円弱と単品では同社歴代トップの売り上げを記録した美顔器「アクアエステソニック2」を筆頭に美容関連商材などの売れ行きが好調だったことに加えて、タレントの太川陽介さんなどを起用する日曜早朝枠の健闘や昨年5月に放映した人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」を起用した深夜枠での特番が一定の成果をあげた。

 また、主要仮想モールに出店し、ポイントによる販促策などを強化したネット販売が前年比で4割増と大幅な伸びを見せた。

 ただ、平日午前の主力枠で期初から金曜日の放送時間が約6分と従来の放送時間よりも1分程度、短縮。深夜枠も編成上の都合で前年よりも1・5割程度、放送分数が減少。BS枠も経費削減や効率化を目的に早朝の短尺帯枠および木曜午前の30分枠という一部枠とBSで主力の土曜午前枠を残し多くを手放したことで放送分数が前年比2割減となったこと。また、例年は年度末に放送する通販特番が今期にずれ込むなど各枠放送分数減に加えて、暖冬の影響で寝具や暖房器具、カニなどの季節商材の売れ行きが鈍かったことなどで売り上げは前年を下回って着地した。

主力枠が復調へ特番も前年上回る

 グランマルシェの前期の総売上高は前年比4・6%増の139億3900万円。このうち、ラジオ通販(約15億円)やカタログやDMなどの紙媒体通販(約6・8億円)、ネット販売(約11億円)、店舗事業などその他(約25億円)を除いたテレビ通販(「テレビ通販」の約64億円と「系列局との共同通販事業」の約20億円との合計)売上高は同10・5%増の84億円(本紙推定)だったようだ。

 前年は平日午後枠が紐付く情報番組の改編の影響や放送開始時間の変更などにより同枠の売り上げは2割減に。また、編成上の都合で深夜・早朝枠の放送数が前年比3割減となったことで売上高も2割程度、落ち込んだものの、前年まで苦戦していた主力の平日午前枠が紐付く情報番組が期初の番組改変で視聴者の年齢層が上がり、通販と親和性の高い層の視聴が増えたことや掃除機「ダイソン」や痩身サポーター「Vアップシェイパー」などの売れ行きが堅調で同枠売上が前年比で1割増で推移した。

 また、年5回放送した通販特番も売上高は前年を上回ったことに加えてTBS系列局との共同通販事業の売上高も近畿5県を放送エリアとする毎日放送との取り組みがこれまでの昼帯のテレビ通販に加えて前期から早朝・深夜枠でも始まったことで大幅に増加した。

主力枠順調、高額品の売れ行きよく

 テレビ東京ダイレクトの前期の総売上高は前年比6・9%増の82億8400万円。このうち、自社通販売上高(同8・0%増の51億5100万円)と通販枠の販売や管理などを行う通販提携事業売上高(同5・6%増の31億200万円)をあわせた通販関連事業売上高は同7・0%増の82億5300万円だった。

 主力の平日午前枠が引き続き好調でフライパンや電気圧力鍋などの調理器具のほか、掃除機や貴金属、高級布団などの比較的、高額な商品の売れ行きが伸びた。早朝枠も堅調に売り上げを拡大して増収に寄与した。

主力枠の刷新で売上アップ

 ロッピングライフの前期の総売上高は前年比6・9%増の83億3800万円。このうち、番組グッズなどのネット販売を含めた通販売上高は同8・0%増の77億1800万円だった。

 BS帯枠は期初からこれまでの夕方帯から早朝帯に移動したことで売上を落としたものの、前年は苦戦を強いられた主力の平日午前枠が復調。同枠は前年(2015年3月期)上期に水・木・金の放送分数を2分の短縮した影響で伸び悩んだが同下期には再度、以前の分数に戻し、前年との比較では放送量が増えたこと。また前期下期の同枠が紐付く番組刷新の影響で視聴者および視聴層が広がったことなどに加えて、掃除機、貴金属など比較的、高額な商品の動きがよく、同枠単体で前年比で1割程度、売り上げを伸ばした。深夜枠も前年比5割超増と拡大した。

 また、カタログ通販やUHF局の東京メトロポリタンテレビジョンの通販番組の業務を請け負う事業も一定の成果を上げ、増収に寄与した。(次号から各局ごとの前期の戦略の詳細について「週刊通販新聞」で連載)

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