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折込リポート

2010年 4月12日 11:02

今回から2回にわたり、首都圏のモニターポイントを用いて2009年1年間における折込広告全体の傾向と通販折込広告の出稿状況を探る。

 1回目の今回は、折込広告全体の傾向に焦点をあてる。2009年1年間で1世帯に配布された折込広告枚数は、首都圏平均で6659.6枚(1ヶ月平均555.0枚)、前年比11.0%減で前年実績を下回り、3年連続の減少となった。

 厳しい経済状況を反映し、1世帯あたりの広告枚数が前年を上回った月はなく、すべての月で減少したが、7月以降は減少幅を縮めている。
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◆◆サイズはB4が主流、曜日構成比は変動も◆◆
 サイズでは、全体の6割を占める「B4」が主流。前年から引き続き「B4」サイズへの集中傾向が見てとれる。印刷の刷り色数では、3色以上の「多色」中心に変化はなく、その割合は年々高くなっている。

 出稿曜日別では、週の後半に占める割合が高い傾向は例年通り。しかし例年「土曜日」「日曜日」に出稿頻度が高かった業種(不動産・自動車・求人等)の出稿が低調だったことで、曜日構成比に若干の変動も見られた(※グラフ(1)参照)。

◆◆◆最も出稿頻度が高かったのは「スーパー」◆◆
 月別の出稿状況を見ると、「3月」(670.4枚)をピークに、「1月」(591.2枚)、「7月」(572.0枚)の順に出稿枚数は推移した。「3月」は季節要因となる入学、進学、転居等を控えていることや、新年度を迎える流通企業が多いことなどから例年1年間で最も出稿が高まる傾向にある。これに対し、「2月」「8月」は低調月となり、月間平均枚数の555.0枚を大きく下回った(※グラフ(2)参照)。

 続いて業種別の傾向。最も出稿頻度が高かったのは「食品主体のスーパー」で、全折込広告の9.9%と大きなウエイトを占めている。1ヶ月平均55.1枚、前年比0.7%減とほぼ前年実績を維持。次いで多く見られたのが「パチンコホール」で40.6枚。以下多い順に「不動産仲介など」31.5枚、「塾・予備校」30.6枚が続く。

 「塾・予備校」も前年比0.8%減に留まった。また、月別の推移を見ると、1、3、6、11、12月では前年実績を上回るなど、新学期、夏期・冬期講習といった、児童・生徒獲得が期待出来るタイミングでの出稿をより強化した様子がうかがえた。長引く景気低迷の影響を受け、広告・販促費の見直しや最適化を重視し、好機に照準を合わせた販促を行った広告主が多かったように見受けられた。

◆◆◆
 以上は2009年における折込広告全体の傾向であるが、最後に通販折込広告にも触れておくと、
通販折込広告の占有率は折込広告全体の4.8%(320.5枚)、前年比98.8%であった。苦戦を強いられた折込広告の中で、通販折込広告は前年比1.2%減に留まるなど、底堅く推移した。

 次回は2009年1年間の通販折込広告について詳しく見ていく。
 (朝日オリコミ 紙田智美)
www.asaori.co.jp


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