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アイ・アンド・ティー 東京・亀有に実店舗、酒類・医薬品や100円商品販売

2016年 1月14日 10:42

 4-1.jpg家電の通販サイト「EC―JOY」を運営するアイ・アンド・ティーは昨年12月、東京都葛飾区に実店舗を開設した。1階では食料品や飲料・種類、医薬品を扱うほか、2階は100円ショップとした。同社では通販サイトでも家電製品以外の取り扱いを強化しており、ポイント連動などのオムニチャネル戦略も進める方針だ。

 店舗の名称は「JOY!STORE」(=写真)。葛飾区の亀有に自社ビルを取得し、1階と2階に店舗を構えた。開設費用は、物件取得費や内装費などを合わせて約3億円。「EC―JOY」は家電を中心に扱っており、同社の2014年12月期の売上高は約67億円。価格比較サイト「価格.com」を使い、安値をアピールすることで急成長した。同社は当初、システム開発からスタートしたこともあり、内製の通販システムを強みとしているが、近年は家電の価格競争激化や運賃値上げ、さらには集客の導線となっている「価格.com」のクリック課金の単価が上がっていることなどから、日用品の品揃えを強化している。

 同社の高橋英太社長は店舗開設の狙いについて「小売りサービスの基本に戻り、他社がやっていないことをやりたいと思った」と話す。利便性を考え、倉庫のある埼玉県三郷市と、佐川急便の拠点がある東京都江東区の中間にあたる亀有のビルを買収し、1・2階を店舗とした。1階には酒や飲料、食料品のほか、医薬品も扱うため、医薬品登録販売者をカウンターに配置。さらに、2階は「近隣にはコンビニエンスストアしかなく、集客効果がある」(高橋社長)ことから、100円ショップとし、喫茶コーナーも設けた。これらの雑貨類はネットでも販売しているが、他の通販サイトでは扱いのない、デザイン性の高い商品なども売っているという。酒販免許は取得し、仕入れルートも新たに開拓した。

 POSレジのシステムも自社で制作した。コスト削減のほか、「スマートフォンとの連動など、内製であれば柔軟な対応もできる」(同)。今後は通販サイトと店舗のポイント連動のほか、サイトで注文した商品の店舗受け取りサービスといったオムニチャネル関連の施策も実施する。

 まだ亀有駅前でのビラ配り程度で、大掛かりな宣伝は行っていないが、オープン後の客足については「まずまずではないか」(同)。年間の売上高目標は1億円。今年中には店舗の収支をトントンにしたい考えだ。

 今後の店舗展開については「まずは売れ行きをみてから。ただ、実店舗をどんどん増やす時代だとは思っていないので、良い物件があれば考えたい」(同)とする。

 通販サイトでも酒類や医薬品の取り扱いを予定しており、店舗との連動を進める。「酒類や医薬品通販の場合、家電のような『最安値を1円くぐる』というほどの価格競争はないため、商機はあるのではないか」(同)。家電と比較すると利幅の高い商材であることから、価格競争を仕掛けることで売り上げ増につなげる狙いだ。
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