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好調・集英社の通販戦略㊤ 顧客向けの主力媒体を刷新

2015年12月17日 18:40

041.jpg 集英社の通販事業が好調だ。2016年5月期で掲げる通販売上高55億円(前年比22%増)の達成に向けて順調に実績を伸ばしている。今号から足もとの取り組みや成長戦略を見ていく。
 
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 今期は9月18日に主力通販誌「エクラプレミアム」以外の通販ページをすべて掲載する媒体「フラッグショップカタログ」(年2回発刊)の名称を「フラッグショップマガジン」(画像=92ページ)に刷新。編集企画ページを充実させ、発行部数も従来の6万部から過去最高となる10万部に増部して臨んだ。

 今回は、9月28日発刊の女性向けファッション誌「モア」の中に別冊で入れた16ページの通販ブックを、本誌の発刊に先がけて「フラッグショップマガジン」で見せたのに加え、9月24日発刊の男性向けファッション誌「ウオモ」で展開した10周年記念の大型通販企画を掲載したほか、人気ファッション誌「バイラ」と「マリソル」「LEE」の雑誌本誌に掲載した通販ページなどをメーンに、オリジナルブランドの編集企画ページなどを掲載した。

 12月初旬時点では、通販誌「ゲットモア」で展開したブランド「デイリーラシット」のモノグラムトート(1万3000円)が販売個数でトップとなるなど、瞬発力だけでなく息の長い商品として売れているほか、マガジンの撮り下ろし企画であるブランド「ジョンストンズ」のカシミアチェックストール(6万2000円)が売り上げベースでトップという。また、通販誌「ショップマリソル」のオリジナルブランド「エムセブンデイズ」の着回し企画も好評で、オン・オフの両方で着用できるパンツが支持されているようだ。

 刷新した「フラッグショップマガジン」を受け取った顧客の対象期間中の購入額などを考慮した「マガジン」の売り上げ効果は今回、従来比20~30%増となる約2億円となり、一定の成果を得たことから、来年3月の発刊号も10万部を配布し、3億円を目指す。

 一方、新生マガジンには通販ページだけでなく、純広告が入るなど"雑誌"としての価値も増したという。広告主にとっては10万人に確実に届く媒体で、しかも通販サイト「フラッグショップ」の上位顧客で、買い物意欲の高い消費者の目に触れることから、今回はKDDIのほか、ヘアサロン向けブランドの「ケラスターゼ」、化粧品の「ブリリアージュ」の3社が広告を掲載した。「ケラスターゼ」とは期間中、「フラッグショップ」で2万円以上の購入者先着5000人にシャンプーとトリートメントのトラベルサイズを同梱したほか、サロンで使えるトリートメントのチケットを配布するなど、マガジンをプロモーションツールとしても活用してもらった。

 3月発刊号では、在庫をさらに積んで3億円の売り上げ効果を目指すのに加え、広告面ではアパレルブランドとのタイアップも提案したい考え。

 また、現状の「フラッグショップマガジン」は年2回の発刊だが、将来的には年4回の季刊誌とすることも視野にあるようだ。   (つづく)
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