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判決を受け、現代書林は、「当然の判決と思う。適正に判断していただいた司法に敬意を表したい」とコメント。県警による捜査手法に対しても「ストーリーに沿って調書が作られ、これに合致する証拠は採用するが、そうでないものは排除する。取り調べにおいても有利な調書作成に精力を傾け、真実かどうかは興味の外にある。そのために強引な捜査の手段が取られることは非常に遺憾」と批判した。
一方、県警は「主張が認められず残念。(上告については)関係部署と協議中」とコメントした。判決を受けた記者発表、捜査手続きの体制や内容変更には「これから組織として決めていくことで現時点で答えられない」とした。
現代書林を巡っては、キトサンコーワの薬事法違反事件に絡み、その関連本を出版していたとして元社長ら2人が起訴された。事件は13年5月に無罪で決着。一方で、逮捕の際、県警が書籍の内容を「ほとんどが虚偽か、被疑者が作り上げた」と発表。新聞などで「ほぼでっちあげ」などと報じられたことを問題視。元社長や編集者など4人への名誉毀損行為に対する慰謝料として770万円の支払いを求める裁判を起こしていた。
裁判では、書籍に登場する医師・研究者12人、体験者7人の証言から、その内容の妥当性が争われた。一審では、医師ら5人、体験者3人に対する証人尋問を実施。「取材の事実はなく、掲載内容も自分の見解に反する」とする医師らの証言を重視。信用性を高く評価し、原告の請求を退けた。
一方、控訴審では取材料の支払いなどの証拠を重視し、取材の存在を認めた。また、複数の医師や体験者が"取材を受けていない"などと証言しながら、実名や写真掲載に対する抗議を行わず、別の書籍でも現代書林と関係を持っていた事実を重視。「(摘発後に)関与を否定する動機がないとはいえない」として、証言の信用性を低く評価、「ほとんどが虚偽とは言えない」と判断した。