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千趣会 スポーツカタログでオリジナル商品を強化へ

2015年10月29日 09:47

 4-1.jpg千趣会は、スポーツアイテム専門のカタログ「SPORTS」でオリジナル商材を強化するとともに、国内外のスポーツブランドとの連携を深めてウェブ上での打ち出しを強める。
 
 カタログ「スポーツ」(=画像)は創刊25周年を迎えた媒体で、発行部数は約60万部。春夏号と夏号、秋冬号の年3回発刊しており、顧客の中心は42~43歳の女性だ。

 「アディダス」や「ナイキ」といったスポーツブランドをメーンに掲載しているが、こうしたナショナルブランド(NB)の商品は自社で在庫コントロールできないことから、独自商品の開発を強化。昨年春にオリジナルブランド「bspix(ビースピックス)」をスタートした。

 ヨガなどを始めたくても専門店でウエアを買おうとするとトップスだけで1万円近くかかるため、習い事用に高額なウエアは買えないという女性も少なくない。そこで、「ビースピックス」では運動することに慣れていない女性でも買いやすい価格帯で、しかも体型をカバーしつつ身体のラインがきれいに見えるデザイン、パターンにこだわったスポーツウエアを開発、販売している。

 「ビースピックス」ではこの1年半、ヨガとフィットネス向けのウエアを中心に展開。ヨガウエアの需要も伸びているが、とくに40~50代女性はフィットネスに関心が高く、通販市場での競合も少ないため"伸びしろ"があるとみている。
 
 一方で"ビースピックスはスポーツウエア"という意識付けができてきたものの、媒体自体が"スポーツをする女性のためのカタログ"として、スポーツに寄り過ぎてきたこともあり、スポーツウエアとしての展開は引き続き強化しながら、気軽に着られる商品群、少しカジュアルなラインについても2016年の秋シーズンから強化する。

 現状、「ビースピックス」の掲載誌面は16~20ページだが、来秋に向けて対象誌面を拡大。独自商品の割合は足もとの20%強から25%に増やし、売り上げシェアでは40%程度から45%に引き上げたい考え。

 NBは通販サイトで打ち出しを強める。カタログ向けには約1年前に発注する必要があって在庫リスクが高いため、紙媒体では売れ筋を中心に販売し、ウェブ上では随時仕入れて素早く売ることに専念する。一環として、従来は千趣会がNBの商品も撮影して掲載していたが、ブランドが持つ写真をそのまま掲載するなど商品アップまでのスピードを追求する。

 開発面では、スポーツウエアの素材開発はメーカーが限られていることもあり、生地の肌触りや耐洗濯性、防透性、価格面も含めて改善の余地があることから、将来的には既存素材だけでなく、「『ビースピックス』オリジナル素材の開発にも挑戦したい」(清水美樹ファッション事業本部スタイルファッション開発部ファッション3チーム)としている。

 現状、「スポーツ」カタログの売上高は3号合計で25億円程度。オリジナル商品の投入で商品構成が変化して利益率も改善しており、中長期計画の最終年(18年12月期)には、「スポーツ」カタログで35億円を目指す。


ヨガイベント開催

 足もとではカタログ創刊25周年を機にヨガイベントを開催中だ。スポーツメーカーによるイベントではハードルが高いが、ベルメゾンの主催であれば気軽に参加してもらえるのが利点で、「ビースピックス」のウエアもプレゼントする。
 
 7月4日に神奈川・江の島で開催したイベントに約40人の女性が参加。ヨガ初心者が半数程度参加し、講習後にはランチや天然温泉が楽しめる内容とした。10月17日には宮城県石巻市で親子ヨガフェスタを開催。親子でスキンシップがとれるヨガ体験やプロカメラマンによる写真撮影会など家族で楽しめるようにした。10月31日には大阪の水族館「海遊館」の大水槽前で夜ヨガを実施する。
 
 今後のイベントについては、「幅広い層が気軽にスポーツを楽しめるものを(抽選ではなく)大規模で開催したい」(清水氏)としている。
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