ハーバー研究所が今期から、通販事業の改革に乗り出している。2015年3月期の通販売上高が前期比7・9%減の82億1900万円と伸び悩む一因が、新規客獲得後の転換に課題があると分析。新規客の獲得から継続客育成まで一気通貫で行える組織に再編し、カタログの見直しやコールセンターの顧客対応の充実を進め、継続客育成につなげる。6月21日に同社社長に就任した末広栄二氏に、改革の狙いと目指す方向性について聞いた。
◇
──14年4月に入社し、マーケティング事業本部ディレクターを経て社長に就任した。経緯は。
「
入社後まず、全体を見ながらさまざまな部門に連携を提案していた。それぞれの部門が独立して動いていたため一部門におけるスピード感はあるものの、部門間の連携による相乗効果を得にくかった。各部門との調整を行う中で、会長から社長就任の打診があった」
──今後、どのようなことを進めていくのか。
「
顧客のLTV(顧客生涯価値)の長期化を目指していく。すでに組織再編を行い、カタログを見直した。コスト削減を図るとともに、受注のピークを平準化する狙いだ。コールセンターではカウンセリング対応を行う余力が生まれ、顧客対応の充実につながる」
──以前の組織の中でどんな課題が生じていたのか。
「
これまで、新規客獲得は『宣伝・PR部』が行い、継続客育成は『通信販売部』が担っていた。例えば、宣伝・PRは新規客獲得の目標人数を達成すれば良く、転換についての関心は低かった。ここ数年、売り上げが大きく変わっていない状況をみると、新規客獲得の転換は課題になっていた」
──現在の組織は。
「
『宣伝・PR』で行っていた新規客獲得を『通信販売』の部門に移管した。『通信販売』が新規客の獲得から継続客の育成まで手掛け、紙媒体やネット、コールセンターを連動させる。複数のチャネルを利用する顧客に対して、ビジュアルを統一して同じタイミングでキャンペーンを行えるようになった」
──新規客獲得の転換率はどう高めるか。
「
月刊カタログの『無添加通信』は季刊発行に変更して、新たにチラシ型の月刊カタログ『今月のおすすめ!』を創刊した。これまで『無添加通信』は季節のお手入れを提案するためのものだったが、キャンペーン情報が強く入り、本来の目的とズレが生じていた。季刊カタログはブランディングを目的とし、営業チームのチェックなく制作する。売りのトーンを抑えて読み物とする」
──チラシ型カタログで売り上げをどう拡大していくか。
「
利用期間が短い新規客には季刊カタログを配布し、フォローハガキなどを組み合わせてリピート購入を促す。月刊のチラシ型カタログは利用期間の比較的長い顧客に配布する。目的が異なる2つのカタログを連動させ、季刊カタログで紫外線を特集した後は、チラシ型カタログで美白化粧品のキャンペーンを行うなどフックを効かせている」
──効果は。
「
顧客のセグメントを見直してカタログ配布対象を絞ったことに加えて、月刊カタログの紙を薄くしたことで、年間のコスト削減を見込んでいる」
「
また、月刊カタログを読み込んで購入する顧客が増えることで、売り上げのピークタイムが平準化する。これにより、コールセンターでは顧客とのコミュニケーションの時間を確保できるようになる」
──コールセンターはどう変化するか。
「
実際に、顧客の問い合わせの質が変化しており、季刊カタログを読んだ上で、自身の肌悩みに合った商品を選ぶようになった。このため、コールセンターのスタッフに対して顧客の状態を聞くことに時間をかけるように再教育を行っている」
──4月に東京のコールセンターを開設し、6月に北海道・千歳のセンターを札幌に移転した。
「
コールセンターの主幹システムをクラウド化し、全社員が顧客対応を行えるように体制を整えている。同時に、コールセンターに寄せられた声をリアルタイムに把握することを目指している。顧客の声に接する機会を増やすことで、通販事業においても接客の感覚を醸成していく」
──今期第1四半期(4~6月)の見通しは。
「
好調だ。ネット販売が伸びているので、顧客とのコミュニケーションを重視した顧客対応へ転換することができた」
──14年4月に入社し、マーケティング事業本部ディレクターを経て社長に就任した。経緯は。
「入社後まず、全体を見ながらさまざまな部門に連携を提案していた。それぞれの部門が独立して動いていたため一部門におけるスピード感はあるものの、部門間の連携による相乗効果を得にくかった。各部門との調整を行う中で、会長から社長就任の打診があった」
──今後、どのようなことを進めていくのか。
「顧客のLTV(顧客生涯価値)の長期化を目指していく。すでに組織再編を行い、カタログを見直した。コスト削減を図るとともに、受注のピークを平準化する狙いだ。コールセンターではカウンセリング対応を行う余力が生まれ、顧客対応の充実につながる」
──以前の組織の中でどんな課題が生じていたのか。
「これまで、新規客獲得は『宣伝・PR部』が行い、継続客育成は『通信販売部』が担っていた。例えば、宣伝・PRは新規客獲得の目標人数を達成すれば良く、転換についての関心は低かった。ここ数年、売り上げが大きく変わっていない状況をみると、新規客獲得の転換は課題になっていた」
──現在の組織は。
「『宣伝・PR』で行っていた新規客獲得を『通信販売』の部門に移管した。『通信販売』が新規客の獲得から継続客の育成まで手掛け、紙媒体やネット、コールセンターを連動させる。複数のチャネルを利用する顧客に対して、ビジュアルを統一して同じタイミングでキャンペーンを行えるようになった」
──新規客獲得の転換率はどう高めるか。
「月刊カタログの『無添加通信』は季刊発行に変更して、新たにチラシ型の月刊カタログ『今月のおすすめ!』を創刊した。これまで『無添加通信』は季節のお手入れを提案するためのものだったが、キャンペーン情報が強く入り、本来の目的とズレが生じていた。季刊カタログはブランディングを目的とし、営業チームのチェックなく制作する。売りのトーンを抑えて読み物とする」
──チラシ型カタログで売り上げをどう拡大していくか。
「利用期間が短い新規客には季刊カタログを配布し、フォローハガキなどを組み合わせてリピート購入を促す。月刊のチラシ型カタログは利用期間の比較的長い顧客に配布する。目的が異なる2つのカタログを連動させ、季刊カタログで紫外線を特集した後は、チラシ型カタログで美白化粧品のキャンペーンを行うなどフックを効かせている」
──効果は。
「顧客のセグメントを見直してカタログ配布対象を絞ったことに加えて、月刊カタログの紙を薄くしたことで、年間のコスト削減を見込んでいる」
「また、月刊カタログを読み込んで購入する顧客が増えることで、売り上げのピークタイムが平準化する。これにより、コールセンターでは顧客とのコミュニケーションの時間を確保できるようになる」
──コールセンターはどう変化するか。
──4月に東京のコールセンターを開設し、6月に北海道・千歳のセンターを札幌に移転した。
「コールセンターの主幹システムをクラウド化し、全社員が顧客対応を行えるように体制を整えている。同時に、コールセンターに寄せられた声をリアルタイムに把握することを目指している。顧客の声に接する機会を増やすことで、通販事業においても接客の感覚を醸成していく」
──今期第1四半期(4~6月)の見通しは。
「好調だ。ネット販売が伸びているので、顧客とのコミュニケーションを重視した顧客対応へ転換することができた」