前号に続き、LINEが開始したフラッシュセールサービスの狙いについて同社上級執行役員コマース・メディア担当の島村武志氏(
写真㊧)とFLASHSALE事業マネージャーの恩蔵優氏に聞いた。
◇
──フラッシュセールサービスでは曜日ごとにジャンルを決めて毎日1万点以上を投入している。
恩蔵 「
今まで(『LINEセール』など)は取り扱う商品を絞っていた。リスクを負って、MDが売れると思う商品を買い取っていたが、今回は絞るのをやめることにした。とにかくたくさん商品を集めて、その上でお客さんが選んでくれる"面"を増やそうという発想。取引先さんのパワーを最大限に使おうと思っており、取引先さんの商品を基本的にはすべて販売する。それを一週間の期間限定で入れ替える。結果、常に新しい商品が登場する。しかも確保期間が短いためその時しかない。裏側の仕組みは受発注をベースにし、商品の幅を広げながら、今しか買えないものを提供する」
島村 「
ECは普通に考えると、品物へのこだわりから入ると思う。『LINEセール』の際も、価値を感じるモノをどのように集めるかという仮説立てから始めた。差別化したいと思えば思うほど他社がやっていない商品に目を向けようとしがち。しかし品物で差別化をしようとすると、商品の幅が広げられず、その品ぞろえに満足する人は限られてしまう。そこで発想を変えて、当社で品物を選ぶのではなく、ベンダー側が情報を検知した瞬間にLINEに提供してもらう。大切なのは鮮度が高いかどうか。そうすると今度は品ぞろえが幅広くなり、様々なお客さんの好みに合うものがでてくる。扱っている品物がいいか悪いかはLINEでは決めない。差別化しているかどうかもそこでは判断しない。そうすることで今そこにしかないものを販売できる。"品物に対するこだわり"から流通的な"今しかない"に視点を大きくシフトさせ、幅の広さを実現させる」
──引き続き取引先は増やしていくのか。
恩蔵 「
その方針だ。おかげさまで、応募もかなり来ている」
島村 「
どこでもいいわけではなく、当社に合った運用フローを作ってもらえるかが大事なポイント。お話をいただきながら条件や時期、商品などについて相談している。ベンダーさん同士がいい意味で競い合うことも大事になる。ページ内で商品の並び順が閲覧数の順になっているのもそういう意味合い。今までは商品の良し悪しを自分たちで決めようとしていたが、どんな商品が今求められているかはユーザーに委ねている。デパートで商品を手に取るのと同じように、ユーザーが閲覧した商品が上に並んでいく。そういう臨場感のある売り場を作っていく。ベンダーさんにも"当社が何を思っているか"ではなく"お客さんが何を望んでいるか"を直接見てもらう」
──出品する企業を決める際、LINE側で注目している点は。
恩蔵 「
継続的に取引してくれるかを見ている。1回や2回の商品供給であればどの企業でもできる。どれだけたくさんのものを提案していただけるかを見ている」
──曜日ごとに商品ジャンルが異なるという切り口もユニークだ。
恩蔵 「
普通は曜日で区切らない。一週間というのはよくあるが、大体同じものをずっと売っている。社内で、曜日で区切るという話になり、そこにコンテンツを当て込むと面白いと思った。毎日カテゴリーが変わり、毎週モノが変わるというのは楽しいと思う」
──更新される時間は決まっているのか。
島村 「
夕方以降で比較的不定期にしている。(販売期間が)一週間あるので、開始時間を明確にして一時間で全部売るというよりは、あくまで提案のスタート。そこまで時間にこだわりはない」
──割引率なども特に定めていない。
島村 「
全然割引していないモノが扱われることもある。お買い得は必ずしも価格的な価値だけではない。手に入りにくいモノや今この場所でしか買えないモノがあるというのも価値としてある」
──初動は。
島村 「
かなり好調だ。もっと苦労してもおかしくないと思ったが、手応えを感じている。フラッシュセールを単独で事業化できると思っていた読みは正しかった。あとはチャンスを形に実現できるかに掛かっている」 (
おわり ㊤は
こちら)
──フラッシュセールサービスでは曜日ごとにジャンルを決めて毎日1万点以上を投入している。
恩蔵 「今まで(『LINEセール』など)は取り扱う商品を絞っていた。リスクを負って、MDが売れると思う商品を買い取っていたが、今回は絞るのをやめることにした。とにかくたくさん商品を集めて、その上でお客さんが選んでくれる"面"を増やそうという発想。取引先さんのパワーを最大限に使おうと思っており、取引先さんの商品を基本的にはすべて販売する。それを一週間の期間限定で入れ替える。結果、常に新しい商品が登場する。しかも確保期間が短いためその時しかない。裏側の仕組みは受発注をベースにし、商品の幅を広げながら、今しか買えないものを提供する」
島村 「ECは普通に考えると、品物へのこだわりから入ると思う。『LINEセール』の際も、価値を感じるモノをどのように集めるかという仮説立てから始めた。差別化したいと思えば思うほど他社がやっていない商品に目を向けようとしがち。しかし品物で差別化をしようとすると、商品の幅が広げられず、その品ぞろえに満足する人は限られてしまう。そこで発想を変えて、当社で品物を選ぶのではなく、ベンダー側が情報を検知した瞬間にLINEに提供してもらう。大切なのは鮮度が高いかどうか。そうすると今度は品ぞろえが幅広くなり、様々なお客さんの好みに合うものがでてくる。扱っている品物がいいか悪いかはLINEでは決めない。差別化しているかどうかもそこでは判断しない。そうすることで今そこにしかないものを販売できる。"品物に対するこだわり"から流通的な"今しかない"に視点を大きくシフトさせ、幅の広さを実現させる」
──引き続き取引先は増やしていくのか。
恩蔵 「その方針だ。おかげさまで、応募もかなり来ている」
島村 「どこでもいいわけではなく、当社に合った運用フローを作ってもらえるかが大事なポイント。お話をいただきながら条件や時期、商品などについて相談している。ベンダーさん同士がいい意味で競い合うことも大事になる。ページ内で商品の並び順が閲覧数の順になっているのもそういう意味合い。今までは商品の良し悪しを自分たちで決めようとしていたが、どんな商品が今求められているかはユーザーに委ねている。デパートで商品を手に取るのと同じように、ユーザーが閲覧した商品が上に並んでいく。そういう臨場感のある売り場を作っていく。ベンダーさんにも"当社が何を思っているか"ではなく"お客さんが何を望んでいるか"を直接見てもらう」
──出品する企業を決める際、LINE側で注目している点は。
恩蔵 「継続的に取引してくれるかを見ている。1回や2回の商品供給であればどの企業でもできる。どれだけたくさんのものを提案していただけるかを見ている」
──曜日ごとに商品ジャンルが異なるという切り口もユニークだ。
恩蔵 「普通は曜日で区切らない。一週間というのはよくあるが、大体同じものをずっと売っている。社内で、曜日で区切るという話になり、そこにコンテンツを当て込むと面白いと思った。毎日カテゴリーが変わり、毎週モノが変わるというのは楽しいと思う」
──更新される時間は決まっているのか。
島村 「夕方以降で比較的不定期にしている。(販売期間が)一週間あるので、開始時間を明確にして一時間で全部売るというよりは、あくまで提案のスタート。そこまで時間にこだわりはない」
──割引率なども特に定めていない。
島村 「全然割引していないモノが扱われることもある。お買い得は必ずしも価格的な価値だけではない。手に入りにくいモノや今この場所でしか買えないモノがあるというのも価値としてある」
──初動は。
島村 「かなり好調だ。もっと苦労してもおかしくないと思ったが、手応えを感じている。フラッシュセールを単独で事業化できると思っていた読みは正しかった。あとはチャンスを形に実現できるかに掛かっている」 (おわり ㊤はこちら)