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スタートトゥデイ 今期3割の増収見込む、ボトルネックの機会ロス低減へ

2015年 5月15日 16:33

 スタートトゥデイは今期(2016年3月期)、商品取扱高が前年比30・3%増の1682億円、売上高が同30・6%増の538億円、営業利益は同26・9%増の191億4000万円という高い目標に挑む。成長のボトルネックになっている機会損失の改善に取り組むほか、新規事業として消費者同士が古着を売買するフリマ(フリーマーケット)事業に参入する。

 同社は、長期ビジョンとして「商品取扱高5000億円」を掲げているが、13年3月期業績が期初計画を下回って以降は現実路線に回帰。成長率を年率10~15%に設定してきたものの、このペースでは長期ビジョンをクリアするのに時間がかかり過ぎることもあり、今期は「アグレッシブな目標を立てた」(前澤友作社長)とする。

 30%成長については、在庫不足から生じる機会ロスの低減に加え、ファッションECの潜在需要を数値化したものという。機会ロス低減に向けた具体的な施策については、「(技術的には)誰でもできることだが、誰もが気づかないこと」(同)とし、事前に中身は公表しないという。

 取引先ブランドが従来以上に商品供給しやすい環境を前澤社長自身が先頭に立って整備する考えで、前提として「ゾゾタウン」が一番売れる売り場ということを再確認してもらうのと同時に、ネットは実店舗よりも効率的であることを今一度、訴えていくという。

 一方で、在庫の問題はブランド側の都合に左右されることから、次の成長に向けては新しい可能性にも取り組む。一環として、今夏以降、フリマ事業に参入する。

 同事業についても詳細は明らかにしていないが、SNSで前澤社長は「ゾゾの購入履歴やウェアのクローゼットから簡単に出品可能。両方合わせてMAU(マンスリーアクティブユーザー)2000万人のファッション好きの集まるフリマ」などと発信。フリマサービスとしては後発なだけに総力をあげて取り組むようで、初年度(~16年3月)から35億円の流通額を計画する。

 同社がフリマ事業を始めることで、ゾゾユーザーは古着を売りたい場合、「ゾゾユーズド」の買い取りサービスに加え、自分で価格を決めて販売することもできるようになる。また、購入者にとっても「ゾゾユーズド」だけでなく、個人からも購入できるなど選択肢が広がるため、今後は「ゾゾタウン」上で古着も目立つように表示する考えのようだ。

 スタートトゥデイによると、30%成長を目指す今期の出足は順調で、4月単月の予算はクリアしたようだ。予算の達成に向けては「全社員一丸となって数字にコミットする」(前澤社長)とし、誰もがスマホ上でリアルタイムの売り上げ状況を確認できるようにしたという。

 なお、同社の前期(15年3月期)連結業績は商品取扱高が前年比12・5%増の1290億5900万円、売上高が同6・7%増の411億8200万円、営業利益は同21・8%増の150億8400万円だった。取り扱いブランドのカテゴリー拡大や値引き販売比率の上昇などから年間平均出荷単価は前年比2・3%減の1万400円、年間平均商品単価は同4・4%減の5593円に下落したが、昨年10月に送料ルールを変更。2999円以下の注文には送料350円を課したこともあり、下落率は縮小傾向にあるようだ。

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