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セブン&アイ・ホールディングスでは現在、来年秋のオムニチャネルの本格展開に向けた準備を進めているが、その前段階として、「足もとですでに行っている『セブン―イレブン』の店頭受け取りサービスをしっかりと訴求する」(セブン&アイ・ホールディングス広報センター)ことを狙いに今回のキャンペーンを行ったという。
セブン&アイ・ホールディングスによると「セブン―イレブン」店頭でのネット販売購入商品の受け取りサービスについて全国規模のキャンペーンは今回が初の試みになる。
そのため、プロモーションにも力を入れており、「セブンネットショッピング」サイト上での告知、"セブン―イレブンは街の本屋"のコピーを入れた横断幕などを使った「セブン―イレブン」店舗での訴求に加え、8月初旬にはテレビCMを投入。
さらに、店頭配布の無料通販冊子「セブンネット生活」でも、表紙で店頭受け取りサービスを前面に打ち出すほか、巻頭12ページを使いキャンペーン連動の特集を設け、ジャンル別に書籍の紹介を行っている。
ネットや実店舗、紙媒体などを活用した多層的なプロモーションは、セブン&アイ・ホールディングスが掲げるオムニチャネル戦略にも通じるものと言えるが、最大の強みとなるのは全国約1万7000店舗を擁する「セブン―イレブン」の店舗網。
実際のオムニチャネルの展開では、商品の受け渡しや決済などサービス拠点として機能することになるが、1日1店当たり1000人に達する来店客数を考えれば、店舗自体にメディアとしてのポテンシャルも高いと言え、今回のキャンペーンで「セブンネットショッピング」が書籍受注件数を大幅に伸ばした要因のひとつになっていると見られる。
また、「セブン―イレブン」店頭でのキャンペーン展開では、加盟店の協力も重要になるが、この部分では、来店促進や手数料収入だけではなく、パンや菓子などとの併せ買につながりやすいコーヒーを特典とするなど、加盟店側のモチベーションを高めるための工夫も盛り込んだことも奏功しているようだ。
今回の書籍・雑誌の「セブン―イレブン」店頭受け取りキャンペーンは、オムニチャネル戦略の地盤固めと言えるものだが、さらにセブン&アイ・ホールディングスグループでは、今年11月下旬に神奈川県川崎市でオープンを予定する商業施設「グランツリー武蔵小杉」でリアルとネットを融合した店舗作りを計画。来秋のオムニチャネルの本格展開に向けた取り組みを着々と進めているようだ。