販売力強化へ売り場拡充も、売上の10%をメール経由で
――「dファッション」と在庫連携している。
「『マガシーク』で扱う商品を『dファッション』でも販売することによって全体の仕入れも強化できている。今後はSNS系のモールと組むなど売り場を増やすことも検討している。在庫連携をカギにトータルの販売力を高め、品ぞろえと奥行きを充実させることが成長につながる」
――ブランド側も欠品対策としてEC在庫の一元化を進めている。
「当社にとっては非常にプラスとなる動きだ。とくに『dファッション』はページビューや来訪者が多い。昨年、ワールドさんやベイクルーズさんと在庫連携を始めたことが増収にも大きく貢献した。在庫連携をしながら、当社としてはトラフィックを増やすことが大事だ。『マガシーク』でとり切れない層は『dファッション』でとりに行くし、『マガシーク』の既存客には、よりリピートしてもらえる施策を打ちながらファンを増やす。今後はそれ以外のチャネルへの展開もあり得る」――競合モールの品ぞろえも増えるが。
「ゾゾさんほど売れていなくても、各モールで同じ品ぞろえができるようになってくると、ゾゾさんにとっては不利になる。当社としては仕掛けやプロモーション、ドコモとのトラフィックなどを武器に売れる商品をより吸い上げて、ゾゾさんとの差を縮めていく」――通販モールに独自色を求めるブランドも多い。
「『マガシーク』は"マガジン"という最初のイメージがあると思うし、実際に画像の質が高い商品はよく売れる。ブランドさんが撮った高品質の写真も使わせてもらいながら、当社では、より欲しくなる画像や雑誌のような編集方法を考える。『マガシーク』のトップページはビジュアルを重視しているので、『見ていて一番楽しい通販サイト』と言ってくれるファンを増やしたい」
――ドコモグループに入って変わった点は。
「伊藤忠商事が大株主だった時代よりも細かい分析を求められている。科学的な数字の分析を多く行うようになった。結果だけでなくプロセスを重視し、求められるKPIがすごく増えた分、綿密な顧客分析につながっていて、その点は非常にプラスだ。簡単に言えば、売れる商品をどれくらい集められているのかを数値化するイメージで、この精度が高まれば、そのノウハウは他社も欲しいはず。当社はECソリューション事業も展開しているので、自社通販サイトを運営しているブランドさんへのコンサルティングにも生かせる」――具体的には。
「販売から何日か経った商品の消化率がどれくらいとか、販売直後にどれくらい売った商品は最終的にどこまで売れるかなどを分析することで、最初の入荷を最適化できる。この商品は5枚ではなくて7枚入荷すべきだったというようなことをブランド側にもロジカルに説明することで、次回の商品調達に反映させたい。在庫連携で解消できる部分はあるが、連携できていないブランドさんに対してはそうした緻密さが大事だ。そういう分析をしているEC専業はないのではないか」――メルマガを活用したマーケティングにも積極的だ。
「売り上げに直結した施策としては、昨年夏にレスポンシスさんのマーケティングソリューションを導入し、さまざまなシナリオメールを実践したことでメルマガの開封率が圧倒的に改善した。シナリオによっては40~50%の開封率があるメルマガもある。例えば、商品をカートに入れたまま離脱した顧客にその商品が残り1点になったというメールを配信したり、靴を買った消費者には靴のケアに関するメール、初めての購入から1週間後に送るメールなど数百シナリオを作ろうと取り組んでいる。顧客目線で届いたらうれしいメールを考えて実践し、検証していて、そのためのスタッフも増やしている」――メルマガはまだ有効なツールか。
「メール経由の売り上げを全体の10%にしたい。とくに『アウトレットピーク』はメール経由が増えている。もうメールの時代ではないと思っていたが捨てたものではない。『アウトレットピーク』は半年でメールの配信数が倍増した。メール会員限定のスペシャルなお知らせを増やし、サイトで何度も告知した」――今期の重点ポイントは。
「『dファッション』の伸びしろは大きいので、メンズ商材や靴、バッグといったファッション雑貨、下着なども強化したい。『マガシーク』ではそこまで重視していなかったカテゴリーも『dファッション』では充実させ、新客を囲い込むことが最優先だ。もちろん、『マガシーク』や訪問者数が伸びている『アウトレットピーク』にも期待している。アウトレットサイトの訪問客は1年前の5割増くらいになっている。今期は前期以上の拡大を狙っていく。全社的には、タイミングは明言できないが、次は200億円を目指したい」 (おわり)
――「dファッション」と在庫連携している。
「『マガシーク』で扱う商品を『dファッション』でも販売することによって全体の仕入れも強化できている。今後はSNS系のモールと組むなど売り場を増やすことも検討している。在庫連携をカギにトータルの販売力を高め、品ぞろえと奥行きを充実させることが成長につながる」
――ブランド側も欠品対策としてEC在庫の一元化を進めている。
「当社にとっては非常にプラスとなる動きだ。とくに『dファッション』はページビューや来訪者が多い。昨年、ワールドさんやベイクルーズさんと在庫連携を始めたことが増収にも大きく貢献した。在庫連携をしながら、当社としてはトラフィックを増やすことが大事だ。『マガシーク』でとり切れない層は『dファッション』でとりに行くし、『マガシーク』の既存客には、よりリピートしてもらえる施策を打ちながらファンを増やす。今後はそれ以外のチャネルへの展開もあり得る」
――競合モールの品ぞろえも増えるが。
「ゾゾさんほど売れていなくても、各モールで同じ品ぞろえができるようになってくると、ゾゾさんにとっては不利になる。当社としては仕掛けやプロモーション、ドコモとのトラフィックなどを武器に売れる商品をより吸い上げて、ゾゾさんとの差を縮めていく」
――通販モールに独自色を求めるブランドも多い。
「『マガシーク』は"マガジン"という最初のイメージがあると思うし、実際に画像の質が高い商品はよく売れる。ブランドさんが撮った高品質の写真も使わせてもらいながら、当社では、より欲しくなる画像や雑誌のような編集方法を考える。『マガシーク』のトップページはビジュアルを重視しているので、『見ていて一番楽しい通販サイト』と言ってくれるファンを増やしたい」
――ドコモグループに入って変わった点は。
「伊藤忠商事が大株主だった時代よりも細かい分析を求められている。科学的な数字の分析を多く行うようになった。結果だけでなくプロセスを重視し、求められるKPIがすごく増えた分、綿密な顧客分析につながっていて、その点は非常にプラスだ。簡単に言えば、売れる商品をどれくらい集められているのかを数値化するイメージで、この精度が高まれば、そのノウハウは他社も欲しいはず。当社はECソリューション事業も展開しているので、自社通販サイトを運営しているブランドさんへのコンサルティングにも生かせる」
――具体的には。
「販売から何日か経った商品の消化率がどれくらいとか、販売直後にどれくらい売った商品は最終的にどこまで売れるかなどを分析することで、最初の入荷を最適化できる。この商品は5枚ではなくて7枚入荷すべきだったというようなことをブランド側にもロジカルに説明することで、次回の商品調達に反映させたい。在庫連携で解消できる部分はあるが、連携できていないブランドさんに対してはそうした緻密さが大事だ。そういう分析をしているEC専業はないのではないか」
――メルマガを活用したマーケティングにも積極的だ。
「売り上げに直結した施策としては、昨年夏にレスポンシスさんのマーケティングソリューションを導入し、さまざまなシナリオメールを実践したことでメルマガの開封率が圧倒的に改善した。シナリオによっては40~50%の開封率があるメルマガもある。例えば、商品をカートに入れたまま離脱した顧客にその商品が残り1点になったというメールを配信したり、靴を買った消費者には靴のケアに関するメール、初めての購入から1週間後に送るメールなど数百シナリオを作ろうと取り組んでいる。顧客目線で届いたらうれしいメールを考えて実践し、検証していて、そのためのスタッフも増やしている」
――メルマガはまだ有効なツールか。
「メール経由の売り上げを全体の10%にしたい。とくに『アウトレットピーク』はメール経由が増えている。もうメールの時代ではないと思っていたが捨てたものではない。『アウトレットピーク』は半年でメールの配信数が倍増した。メール会員限定のスペシャルなお知らせを増やし、サイトで何度も告知した」
――今期の重点ポイントは。
「『dファッション』の伸びしろは大きいので、メンズ商材や靴、バッグといったファッション雑貨、下着なども強化したい。『マガシーク』ではそこまで重視していなかったカテゴリーも『dファッション』では充実させ、新客を囲い込むことが最優先だ。もちろん、『マガシーク』や訪問者数が伸びている『アウトレットピーク』にも期待している。アウトレットサイトの訪問客は1年前の5割増くらいになっている。今期は前期以上の拡大を狙っていく。全社的には、タイミングは明言できないが、次は200億円を目指したい」 (おわり)