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「店舗からしてみれば、ユーザー数が重要なのは当然で、そこは努力が必要な部分だ。今までは何もしなくてもユーザーは増えていたが、自然増には限界がある。販促費をかけてブランド認知を高めるべきタイミングは、近い将来間違いなく来るので、そのタイミングで大々的にCMを流したいと思う。カードやデビットカードだけではなく、来年には銀行口座から直接の引き落としも可能となる予定で、利便性も高まる。ペイパルは、普通ならトレードオフの関係にある安全性と利便性を両立しており、今後もセキュリティーを担保したまま利便性を高めていく。そこは他社には真似できない部分だ」
「日本の場合、(ペイパルアカウントが必要な)イーベイが普及しなかったため、アカウントを作る機会が少ないというのが欧米などとの違いだ。そこで、店舗で"顔パス"決済できる『ペイパルチェックイン支払い』を普及させたい。これは、事前に顔写真とクレジットカードを登録したスマートフォン用アプリ『ペイパル』と、お店側用のアプリ『ペイパルヒア』を利用したものだ。例えばアプリから喫茶店を選んで来店前にチェックインの手続きをすることで、レジではペイパルで払う旨を伝えれば決済が可能だ。おサイフケータイ未対応のiPhoneユーザーでも利用できる。これもまたPOSベンダーさんと連携し、拡大させていく予定だ」
顔パス決済は4月から「ヤマダ電機LABI渋谷」でテストを始めた。
「ヤマダ電機さんの場合は、オムニチャネル化に向けた取り組みをいち早く実施したということ。いずれは店舗のレジをなくし、店員にタブレットを持たせてその場で決済してもらう、という形が理想のようだ。例えば炊飯器を購入した顧客に対して、ヤマダの通販サイトで売っている米をクロスセルする。ペイパルであれば顧客情報をいちいち入力してもらう必要がなく、数クリックで決済が完了する」
「実店舗では顔パス、ネットはIDとパスワードの入力だけで購入できるというシームレスなやり方が実現できるのはペイパルだけ。顔パスとオンライン販売を組み合わせるのが理想のオムニチャネルではないか。オンライン販売を店舗でのショッピングに組み込む、いうなればオンライン販売が接客ツールになるわけで、これは店員のいる実店舗にとっては大きな強みだろう」
現在の流通額や今後の目標など、公開できる数字はあるか。
「数字に関しては非公開だ。ただ、現在の日本におけるアクティブユーザーは約100万人。これを2000万人、3000万人と増やしていく必要があるのは当然のこと。ゆくゆくは20歳以上のネットユーザーは全員登録している、という状況にしたいと思っている。ある程度利用が伸びれば臨界点に達し、ユーザーも爆発的に伸びるだろうが、一定数の企業・ユーザーが使わないとそれに達しないので、そのための取り組みを続けていく」
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