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CCCが健食通販に参入、5年で50億円、懐疑的な見方も

2014年 4月24日 14:44

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カルチュア・コンビニエンス・クラブは4月16日、グループ会社を通じ、健康食品通販に参入した。ネットを介して顧客の生活習慣を把握した上で、最適な健食を提案する仕組み。5年をめどに50億円の売上高を目指すという。ただ、"オーダーメイドサプリ"は多くの企業がすでに取り組んできた分野。これまで成功モデルを築いた企業はなく、懐疑的な見方もある。

 「5年で50億円はかなり厳しい。確かにオーダーメイドサプリを求めるマニアックな方はいるが、市場規模は数億円にもならないのではないか」「そもそもCCCが健食を売る動機が分からない」。CCCの健食通販参入に業界関係者の見方は厳しい。

 CCCでは、独自のマーケティング調査から、健食の利用客の大半は「何を選んで良いか分からない」といった悩みを抱えていると分析。"提案型サービス"により最適な健食を提供することで差別化が図れると判断して参入を決めた。通販は、新会社、Tヘルスケア(本社・東京都目黒区)を通じて展開。社長には、グループでデジタルマーケティング事業を手掛けるアイ・エム・ジェイの大塚健史氏が就任した。

 Tヘルスケアが運営する通販サイト「Pitatri(ピタリ)」では、20代後半のビジネスマンから50代の男女まで日常的にネットを利用する層をターゲットに展開。ウェブ上で生活習慣や健康上の悩みに関する約70の質問を行い、結果に応じて17種類(税抜2500円~4800円)の健食から優先順位をつけて提案を行う。今後、商品数も増やしていく。

 ただ、オーダーメイドサプリに対する業界関係者の見方は厳しい。

 「5年前にある法人が表参道にオーダーメイドサプリを意図した店舗をオープンしたが、すぐ行き詰まった」「ウェブカウンセリングで商品提案する手法はすでに試みられてきた。今は遺伝子検査などを取り入れ、顧客をより深く知り、個々の顧客に対応できる形を模索する次の段階に入っている」という声もあり、従来からの通り一遍の手法によるオーダーメイドサプリの提供に対する評価は定まった感もある。

 最大の強みは、「Tポイント」などグループのリソースを活用することだが、Tヘルスケアでは「健康上の機微情報が含まれることから連携しない」としており、独自のポイントサービスも設けない。

 50億円という数値目標の根拠は、「市場における上位30位くらいまでの主要プレーヤーの事業規模から算出した」(同社)とし、今後、ウェブ上でのプロモーションやPRイベントの開催、パブリシティの活用で認知を高めるという。初年度の投資額は非公表とするが、通販で50億円を安定的に売り上げるまで成長するにはかなりの投資が必要になりそうだ。

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