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ベネッセ、"主婦目線"で段ボール玩具シリーズ化

2010年 2月25日 19:19

8k.jpg ベネッセコーポレーション(本社・岡山市、福島保社長)はWomen&Family事業本部が展開する通販「ココハピ」で、主婦モニター参加の商品開発に注力している。ターゲットとなる主婦の価値観やニーズを反映。商品開発過程を誌面で紹介し、ブログサイトを通じくちコミの発生につなげている。昨年9月発売の「段ボール子ども用キッチン」は累計2000個以上を販売するヒット商品となっており、3月発行予定のカタログでシリーズ化する計画だ。

 同社は09年9月から、雑誌「サンキュ!」の通販として「ココハピ」を展開する。ブログサイト「サンキュ!学園」で募集したブロガーで「商品開発隊」を構成。主婦ブロガーの商品開発への参加を促進することで、ブログを通じたコミュニティマーケティングに注力している。

 「商品開発隊」は「新しい物好き」「買い物好き」の、就学前の子どもを持つ母親が中心。毎月ミーティングを開き、収集した意見をもとに改良を重ね商品化している。

 「デフレの時代は機能が良いだけでは購入してもらえない。見落としがちな主婦の日常生活やシビアな金銭感覚を取り入れて開発できる」(サンキュ!通販担当課長糸藤友子氏)という。

 段ボール玩具第1弾となる「段ボール子ども用キッチン」は、シンクやコンロがついたもので、未就学児はままごとなどで遊ぶことができる玩具。もともと市販の玩具は価格が高く購入しづらい上、就学後の使用頻度が低下するため「欲しいけど購入を躊躇してしまう」との声があった。

 同商品は段ボールで玩具を手作りするブロガーからヒントを得て商品開発に着手。当初のサンプルでは蛇口が回らないほか、ガスコンロとレバーの数が合わないものだったが「蛇口が回ったほうが、リアリティがある」「レバーが2つならコンロも2つ作るべき」などの意見を反映し商品化した。「最初のサンプルを完成度の低いものを用意することにより、さまざまな意見が聞ける」(糸藤氏)という。

 とは言え、予算内では収まらない意見もある。例えば、シンクには18センチの穴が開いており、モニターからはボウルを付けて欲しいという意見があった。組み立て式で発送するため、ボウルを付けるとかさが増し物流コストは4倍に上がる。加えて、商品基準に合致したボウルを用意すると商品価格も数100円高くなってしまう。そこでアンケート調査を実施した結果、「ボウル有り」で2800円台よりも「ボウル無し」で2280円のニーズが高いことが分かった。

 こうした主婦目線の商品開発を行った結果、累計で2000個を販売。モニターは商品開発の過程をブログで紹介してくれるため、「サンキュ!学園」内で商品認知度が向上。発売後は、実際に子どもが遊ぶ状況をブログで紹介するユーザーがおり口コミが拡大し、新たな購入者の獲得につながっている。

 「段ボール子ども用キッチン」が好調なことから、3月に発刊予定の通販カタログ「ココハピ」では段ボール玩具をシリーズ化する。新たに提案する「おうち」や「デスク」の開発過程をカタログで紹介し、売り上げの拡大につなげていく考えだ。
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