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国センによると、補聴器の相談件数は12年度が529件と、03年度と比べて約2倍に急増している。過去5年間の累計相談件数の7割が店頭販売で占め1842件となっており、通販は1割程度の266件だった。
通販の補聴器に関する相談内容は「返品」に関する相談が目立つようだ。具体的には「カタログ通販で補聴器を購入したが良く聞こえない。返品を申し出たができないといわれた」(13年10月)、「新聞広告を見て購入したが、返品できなかった」(13年8月)、「試聴期間を過ぎて返品を申し出たが、商品代金を請求された」(12年5月)というもの。
国センでは補聴器が薬事法で医療機器に分類されており、「衛生品のため開封済み商品の返品に対応していないことから、トラブルになっているようだ」(国セン)とする。
国センは07年に、通販の補聴器について商品テストを実施。補聴器と集音器10銘柄を調査した結果、充分な補聴効果が得られないものや、難聴者のレベルによって安全上問題のある銘柄があるとしていた。業界に向けてフィッティングサービスや試聴期間を導入し、使用者の状態に合わせて最適な商品を提供するよう販売システムの見直しを求めていた。
だが、今年度においても相談件数は増加傾向にあり「ユーザーの難聴状態に合わないという相談は依然多く、売りっぱなしの販売がトラブルの原因になっている」(国セン)と指摘する。今回の補聴器についての注意喚起については、購入前のフィッティングや購入後のアフターケアの体制の有無は重要な契約のポイントであると説明。「通販事業者にも、フィッティングやアフターケアの重要性を知ってほしい」(国セン)とした。