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クラウンジュエル 商品数は月6万点に拡大

2013年12月20日 16:02

051.jpg スタートトゥデイ100%子会社のクラウンジュエルは、ブランド古着のネット販売が好調だ。2014年3月期の売上高は前年比倍増となる20億円に向け順調に推移しており、今後、買い取りなどを強化することで中長期的に100億円を目指す。

 同社は、昨年11月にブランド古着の専門ショップ「ゾゾユーズド」を「ゾゾタウン」内に開設して以降、売り上げの伸び、販売スピードが格段に高まっているという。

 従来は運営するアパレルのオークションサイトで古着を販売していたが、「ユーズド」の開設を機に売り場を一本化。会員数約500万人、アクティブ会員も約280万人いる「ゾゾタウン」の利用者に古着という新サービスを提供することで購入機会が増すと判断。これが当たった。

 約4000のブランド数、商品単価4000円程度というのは1年前と大きくは変わっていないが、商品点数はスタート時の約4万点に対し、今年12月は1日当たり約2000点、月ベースで約6万点を投入しており、掲載商品の半分以上が販売開始から1カ月以内に売れているという。

 ゾゾで販売する新品を見た後に古着を見て"安い"と感じる消費者も多いようで、「服を3~4点購入する際に古着も1着買うというような賢い使い方をしているのでは」(宮澤高浩社長=写真)とする。実際に、新品の服だけでなく古着も購入している顧客は年間購入金額が高い傾向にあり、服好きが集まる「ゾゾタウン」に古着の販売が合致した格好だ。

 ただ、280万人のアクティブ会員がいることを考えると、まだ数パーセントの顧客にしか「ユーズド」は利用されておらず、今後はこうした未利用者へのアプローチを強化したい考え。

 例えば、1年前に「ゾゾタウン」で服を購入した消費者に対し、「あなたが購入した商品を今なら○○円で買い取ります」といったメールを送ったり、購入履歴の商品画像の横に買い取り希望のボタンを配置して、クリックするだけで宅配キットが届くというような仕組みも検討したいとする。

 アパレル商材は"生もの"のため、事前に買い取り価格を決めることはリスクが伴うものの、「利用者を増やすには価格の明快さや査定スピードを上げることが大事」(宮澤社長)という。

 同社は、「ゾゾタウン」の顧客情報を活用してサービス力を高め、新アプリ「ウェア」で服を見てから「ゾゾタウン」で購入し、着なくなったら「ユーズド」に売ってもらい、得たお金でまた「ウェア」を見るというような、他社には真似できない循環型のサービスとして強化したい意向だ。

 一方、「ゾゾタウン」内に古着の売り場ができたことでブランド側からは懸念の声もあったが、当該サイトが年率10%以上の成長を続けていることもあり、新品への影響はないと見ている。

 見せ方としてゾゾ内では新品と古着が一緒に表示されない仕組みを採用している。また、ブランドによってはサンプル品のセールを「ユーズド」で開催する機会も増えており、1年間で十数社が同様のセールを実施。サンプル品を現金化するツールとしても利用されているようだ。

 物流面では、従来は東京・練馬に倉庫を構えていたが、スタートトゥデイが新センター(千葉県習志野市)に移ったのを機に同社の既存拠点(同)に移転。これまでは「ユーズド」の受注商品を都内の倉庫から一度、習志野に運んで消費者に届けていたが、こうした時間のロスが解消された。
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