「DMの行動喚起効果は閲読者全体の16・5%に」。
日本ダイレクトメール協会(DM協会=事務局・東京都港区、佐藤信会長)がまとめた「DMメディア実態調査2012」によると、これまでDMの"レスポンス"と考えられていた「資料請求」や「購買行動」に加えて、DMを読んだ後にネットで調べたり、来店するなど、何らかの行動を起こしている消費者は6人に1人の割合でいることが分かったという。同調査から一部を抜粋して紹介する。
DM協会は昨年12月、首都圏に住む20~50代の男女369人に受け取りDMの全件モニターを実施し合計3713通のDMを対象に調査した。
これによると、対象者が受け取ったDMの数は、自分宛てが1週間で2・8通、家族を含めた世帯全体で5・2通だった。
DMのタイプは、はがきが42・9%、封書33・0%、大型の封書19・0%の順で、開封・閲覧されたDMは全体の68・5%だった。
DMの内容は「新商品・サービスの案内」が27・8%、「特売・セール・キャンペーンの案内」が21・1%、「商品・サービスの利用明細・請求書」の16・9%が上位を占めた。
今回、DM閲読者の16・5%が何らかの行動を起こしていることが判明。内訳は「家族・友人・知人などとの話題にした」(5・8%)、「内容をインターネットで調べた」(2・7%)、「お店に出かけた」(2・3%)、「商品・サービスを購入・利用した」(1・7%)、「資料請求した」(0・4%)などで、派生する行動がくちコミやサイトアクセス、実店舗への来店など、クロスメディアの起点としての役割も確認できたという。
DMの受け取り通数については年収階層が影響しており、世帯全体の平均5・2通に対し、年収900万円以上の層が6・3通、500万円~900万円の世帯が5・2通、500万円以下では4・0通だった。
一方、同調査期間における自分宛てのEメール通数は1週間に78通で、自分宛てDM(2・8通)と比べて約30倍の頻度だった。年収階層別の受け取り通数ではDMが大きく高所得層にシフトしているのに対し、Eメールはどの層も平均値に近く、ターゲットセグメントをあまり行わずに量的なコンタクトを志向しているようだ。
また、「購入・利用経験あり」企業からのDMは「経験なし」企業のDMに比べて閲読意向が2割~5割高く、"顧客に強いメディア"ということが確認できたとする。
DMに希望する情報内容(複数回答)は「特売・セール・キャンペーンの案内」(70・7%)、「クーポンの案内・プレゼント」(60・4%)、「試供品の案内・プレゼント」(56・6%)など具体的な利益の提供と、「商品・サービスの利用明細・請求書」(58・3%)、「新商品・サービスの案内」(49・1%)、「獲得ポイントなどの案内」(39・6%)などの情報提供に大別される。
開封・閲読する業界・サービス分野については数多く挙げられているが、中でも「家電量販店」(52・0%)、「通販」(43・4%)、「クレジットカード関連」(40・1%)、「薬局・ドラッグストア・化粧品店関係」(37・7%)などが上位を占めた。
一方、実際に受け取ったDM送付元業種は「塾・通信教育・カルチャーセンター関連」(11・5%)、「クレジットカード関連」(8・5%)、「不動産・住宅・設備関連」(7・0%)などで「通販」は6・8%だった。
なお、DMのタイプ別送付内容は「郵便」が49・2%、「広告郵便」15・6%、「ゆうメール」13・5%、「クロネコメール便」が9・7%などとなった。