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前澤社長に聞く「ゾゾ」の前期総括 前期不発で利益重視に転換

2013年 5月16日 20:11

051.jpg スタートトゥデイは前期、新客の開拓や既存客のアクティブ化、定価販売比率の改善などに向け実施した施策のほとんどが不発に終わり、苦汁をなめた。"原点回帰"をキーワードに掲げる同社の前澤友作社長に、前期の総括や足もとの取り組みなどを聞いた。



――2期連続で期初計画未達となった。

 「前期は30点くらいの出来だった。施策の多くが空回りする中で、社員はモチベーションを崩さずに頑張ってくれた。そんな中でも、顧客向けの予約販売会『ゾゾコレ』は一筋の光が見えたと思う。今期は開催しないが、来期中にはもう一度取り組みたい」

――ツイッター騒動やポイント還元策など派手なニュースが続いた。

 「ツイッターは本当に自分の未熟さが招いた結果。10%のポイント還元も含め、びっくりされた方や、『チャラチャラするな』といった声もあった。ただ、ファッションECでの断トツ感や、面白さ、期待感は常に持ってもらえていると思う」

――送料無料施策は継続する。

 「同じ商品であれば、送料無料のサイトに消費者が流れるのは仕方のないこと。本望ではないが、送料無料はやらざるを得ないし、当面続ける」

――今期は"原点回帰"を掲げた。

 「以前から変わらないことだが、ネット販売の成功には品ぞろえ、サイト、集客、物流のどれが欠けてもダメ。これを真面目に、日本一、世界一の水準に仕立てていく」

――3月に始めたブランドの店頭販売員によるコーデ提案が好評だ。

 「トップページでクリック数が一番多い。ブランドさんのショップスタッフは管理画面から直接、ゾゾのサイトにコーデ画像をアップできるようにしていて、最初の1カ月で4000人の販売員が約1万枚の写真を登録してくれた。店員さんのモチベーションも上がるし、店頭への送客につながればブランドにもメリットがある。今後はもっとリアルと連携を深めたい」

――海外事業は。

 「中国のサイトは1月末に閉鎖し、戦略を見直した。グローバルサイトで売れている国、商品は見えてきているので、効果が出そうなところは次の手を考えていく」

――今期計画は商品取扱高13%増と控えめだ。

 「2期連続で期初計画を割り込んだため今期は堅実な目標を立て、利益重視の経営を行う」

――古着のゾゾユーズドに期待している。

 「今期は前年比2倍以上の20億円が目標だ。ゾゾユーズドでは4割の商品がサイトにアップした日に売れる回転率の速さが特徴。需要と供給のバランスを見ながら値段を決められることも大きい。将来的には商品取扱高の10~20%を目指せる事業だ」

――新卒者は過去最多の75人を採用した。

 「いろいろな事業にまんべんなく配属しているが、とくにカスタマーサービスは強化したい。現状には満足していない」

――次の挑戦は。

 「『ゾゾ』は当社の事業のひとつでしかない。これからもファッション業界や社会に貢献できる事業を創造したい。今期中にスタートする新たなサービスは、ファッションの流通や販売などに変革を与えるものになるので、期待してほしい」

――アマゾンが衣料品を強化しているが。

 「投資家の方などを含め、"アマゾン恐怖症"のような考えを持っている人が多いが、それは少し違う。アマゾンさんの怖さを説明して欲しいと言っても、あまりにもベールに覆われているために、具体的に怖さを説明できる人はいない。送料無料や翌日配送などが珍しいサービスではなくなりつつある中で、これからどんなイノベーションがアマゾンさんから起きるか楽しみだ」
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