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アリシア 自社ECの商材絞り込みも、コーデ提案強化で売上増

2012年12月13日 10:46

051.jpg 婦人アパレルのアリシアは、取り扱いブランドの絞り込みや、コーディネート提案を充実させたことで自社通販サイトの売上高、利益ともに大きく伸ばしているようだ。

 同社は、今年5月に実施した通販サイトのリニューアルを機に、取り扱いブランドを従来の4ブランドから主力の「ページボーイ」のみとし、サイト名も分かりやすく「ページボーイ公式通販サイト」に変更した。

 従来から、ネット会員の多くが「ページボーイ」の顧客で、他ブランドとの買い回りも少なかったため、事業採算性を考慮して同ブランドの販売に集中することにしたという。

 リニューアル後は、3ブランドの取り扱いをやめたことによるサイト流入数の減少はあるものの、商品・在庫管理は従来比で30%以上の効率改善につながった。

 また、客層を絞ったことでサイトのコンバージョン率はすぐに向上したほか、週20~50型の新商品が投入される中にあっても、奥行きを持たせて販売していることもあり、自社通販サイトの売上高は、これまで扱っていた4ブランドの合計と比べて30~40%増、「ページボーイ」単一ブランドとの比較では1・5倍程度に伸びているという。

 一方、コーデ提案の強化も好調なネット販売を下支えしている。同社は、今年8~9月にサイトの見せ方を一部修正した。

 商品一覧ページ上で商品画像にカーソルを合わせると、当該商品を使ったコーディネート例が表示されるようにしたところ、顧客の滞在時間が20~30%伸長し、ページビューも従来の平均13~15PVに対し、約20PVになったという。

 コーデ画像については、掲載写真を従来の週20体程度から100体まで増やした。全国に約80ある実店舗の販売スタッフがこれまでと同様、EC用に撮影したコーデ写真に加え、彼女たちがブランドの公式ブログにアップしたスナップ写真の活用も始めた。

 フルフィル面では、店頭スタッフに手間をかけさせないよう、EC担当者がスナップ写真を通販サイト用に色補正などを加えて転載している。

 ブログ写真の活用によって、画像の質にバラつきが出るものの、同社ではコーデ画像の"数"を優先。「顧客が手持ちの服と合わせられるというイメージを持てることが何よりも重要」(同社)とする。

 アリシアでは、来年3月をメドに再びサイト刷新を計画。次回は、利用者の利便性を重視し、スクロールしなくても見やすい画面構成を考慮したサイト設計を行う。

 なお、「ミスティウーマン」などの自社ブランドは、引き続き「ゾゾタウン」など他社ECモールを通じて販売していく。


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