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実店舗については11月2日、大阪市内に自社通販サイト「HUMOR(ユーモア)」の2号店を開設する。元々、出店するオフィスビル1階には親会社エイ・ネットのブランド「ツモリチサト」や「ネ・ネット」「ズッカ」の店舗が入居しており、これを改装して「HUMOR SHOP by A―net南堀江店」としてオープンする。
そのため、店舗面積は今年4月に商業施設「東急プラザ表参道原宿」に出店した1号店の約2・4倍(440平方メートル)という大型店だ。
1号店は若者層が多いこともあって値ごろな商品が中心だが、新店舗では親会社が展開する各デザイナーズブランドの商材をフルラインアップするほか、1号店と同様、自社通販サイトで扱うファッション雑貨などの他社商材も販売する。
ネットとの融合に向けては、通販サイトで注文した商品を店頭で受け取れるようにするほか、店頭で購入した商品を無料で自宅に届けるサービスも始める。
また、表参道原宿店で好評なAR(拡張現実)技術を用いた仮想フィッティングサービスもバージョンアップして登場。60インチのモニターでは、実際に服を着用した際にできるドレープ(布のたるみ)や、生地の表情も再現できるという。
同社は、ARフィッティングを来店客とのコミュニケーションツールとして活用するほか、バーチャル試着の画像データを来店客のスマホやフィーチャーフォンに配信することで、SNSを通じた情報拡散につなげる。
一方のネット上では、9月下旬から衣料品通販サイトの「マガシーク」に主力ブランドの投入を開始したほか、今後も他社サイトへの出店を模索。「新たな客層の獲得につなげる」(大森恵取締役)としている。
MD面では、グループ商材以外の取り扱いを強化。服以外のライフスタイル提案を補完できるアイテムの幅を広げる。
一環として、従来はパリで開かれる大規模な雑貨の見本市を中心に仕入れてきたが、新たに英国や北欧の雑貨店などを訪問して新規の買い付けルートを開拓。ファッション雑貨やインテリア、ステーショナリーなどのアイテムは昨年に比べて3倍程度となる約30ブランドに増えている。
他社商材については、実店舗向けを含め品番当たりの奥行きも増やす。これは、実店舗のVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の観点からも重要で、店頭をマンネリ化させないためにも品ぞろえを強化。ネット売り上げの下支えにつなげるとともに、既存客の満足度向上を図る。
同社の12年3月期のネット販売売上高は前年比約20%増の9億5000万円。今期はリアルとネットでの売り場拡大や、他社商材の拡充に取り組み、13年3月期は11億円を見込む。