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有力メーカーのネット販売戦略、ヒラカワコーポレーション、節電で冷却ジェルマットが好調

2012年 9月 6日 10:15

寝具類などの企画・販売を手掛けているヒラカワコーポレーション(本社・東京都中央区、平川尚市社長)は、今年6月に自社通販サイト「ヒラカワネット」(画像)を大幅にリニューアルするなどネット販売事業の強化を進めている。
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 同社は主に、問屋経由による量販店や専門店などでの販売を軸に展開している。そのため数年前までのネット利用方法としては、コーポレートページの中で電子カタログに近い内容としての商品掲載ページ運営にとどまっていた。

 しかし、消費者からの要望もあり、同ページに簡易的な通販機能を持たせたところ、急激に売り上げが伸びたという。卸を経由しない定価の直販であることから事業としての利益率が高く、今後の成長性も加味してネット販売事業を本格展開することを決めた。

 今回のリニューアルでは、商品画像を羅列して価格を全面に押し出すのではなく白を基調としたページ構成にして、公式サイトとしての高級感の演出を重視した。「通販サイトはロングページが良いといわれるが、そこは抑えた。シンプルで必要最低限の情報のみを盛り込んだ」(同社)と説明。問合せ窓口となっているブランドサイトともリンクさせており、商品の仕様や工場での安全検査の仕組みといった細かい情報はそちらで確認できるようになっている。

 また、閲覧者の視線が最初に来るトップページの左上に定番のセット商品を掲載するなど、同じようなイメージの商品が多い中で訪問者が迷わず目的の商品に辿り着けるような導線設計を心がけた。

 現在自社通販サイトで取り扱っているのは、布団類やマットなど全部で192SKU。特に人気となっているのが、やわらかいジェルを独自の製法で内蔵した「ひんやりジェルマット」シリーズ。売れ筋の価格帯は税込5980円のシングルタイプ(90×90センチメートル)。冷凍・冷蔵の必要がない機能性の寝具として、昨年夏は節電の影響もありネット・店頭ともに爆発的にヒット。昨年だけで過去3年分を売り上げたという。

 同社の今後の課題は集客。購入者の多くが主婦であることから、年末の繁忙期に向けてはページ内に「節電」や「節約」など女性の意識が高いキーワドを散りばめて、検索経路からの流入増加を狙う。さらに、スマホ版の開設なども検討し、新たな客層開拓を図っていく。

 また、サイトリニューアルと同時に発売した「ネット限定商品」についてもラインアップを拡充していく考えで、無地だけではなく、まだ市場では珍しいデザイン性の高いジェルマットも増やしていく予定。「寝具は頻繁に買い換えるものではないが、持ち帰るのが困難な商材なので通販向きであることは認識している。今後ネットで伸ばしていくことは間違いない」(同社)とした。


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