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「当社からは提携を意味あるものにする23項目のプランを渡していて、高島屋の宣伝部やクロスメディア事業部、カード会社、デベロッパー、店舗との連携など1つずつ話し合っている。例えば、新宿店が入っている『タカシマヤタイムズスクエア』の壁面に『セレクトスクエア』の看板を掲げるなど、冗談みたいな取り組みも本気で検討している。また、品ぞろえが似ている玉川店と『セレクトスクエア』の相互送客の仕組みもあり得る。クロスメディア会員やカード顧客、店頭客、宣伝での接触、こうした消費者とのコンタクトポイントを一元化しないといけない」
――御社の役割は。
「当社が担うのは、顧客データベースの一元化と商品の単品管理。もちろん、グループの一員として通販サイト『セレクトスクエア』の売り上げも伸ばす。高島屋が掲げる2年後にネットで100億円という目標には当然、当社の売り上げも含まれてくる。まずはメルマガやバナー経由で顧客を送客しあったり、品ぞろえの面で一緒に動くことなどから始める。これまで欠けていた商品の単品管理などを整備すれば小売としての効率が改善し、さらにエンタメや物流を強化すればサービス水準を上げられる」
――品ぞろえは。
「低価格帯のものとスーパーブランドを除けば、高島屋の店頭と当社の品ぞろえで消費者が求めるブランド、商品はそろっている」
――御社の第2創業期となりそうだ。
「その通りだ。丸紅から独立した5年前が第1の創業期で、その後、フルフィルメントを含めたEC運営をほぼ内製化した。高島屋と組んだ今年は第2創業期と言える。ファッションEC成長期の第1ステージはゾゾさんが勝者だった。我々はオムニチャネル時代という第2ステージのチャンピオンを狙う。高島屋も創業180周年を超えて200年企業を目指す中、成長に向けた変革の一環として当社との提携もあったと思う。異質なものがぶつからないと価値は生まれない。ビジョンさえ共有できればディテールは議論をして埋めていったらいい」
――今なら間に合う。
「オムニチャネル時代は確実に来る未来で、逃げずにチャレンジすることが大事。高島屋グループに入ったからには、百貨店を再発明する手伝いをしたい」
――ネットとリアルの融合が進めば百貨店のあり方も変わる。
「高島屋には優秀な人材がたくさんいる。恐らく、10年先も競合の百貨店は『坪効率いくら?』と言っているだろうが、高島屋グループは違う。コンテンツやエンターテイメントの演出といったシアターの機能を持ち、入場料を取るくらいになる(笑い)。それくらいじゃないと、わざわざ実店舗に行かない。行くだけの理由が必要で、そのための手伝いはできる」
(おわり)