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問題となった商品は、「アゲハダ ラインゼロ」という化粧下地。クリスタルジャポンはコアクエストから商品を仕入れ、2010年4月に発売。今年2月まで約1万5000本を販売。約1億円を売り上げていた。
通販サイトでは10年9月から今年4月まで"継続使用によりシワが引き延ばされた状態をお肌が記憶してくれます"などと表示。消費者庁は、「不実証広告規制」(景表法4条2項)の規定に基づき、2社に合理的な根拠を示す資料の提出を求め、提出資料を表示を裏付ける根拠と認めず優良誤認にあたるとした。
"抗シワ"表示に対する消費者庁の取り締まりは、今年3月のリソウの景表法違反に続き2件目になる。厳密にはリソウのケースは、"抗シワ"表示を直接処分したものではない。ただ問題となった商品は抗シワ効果をうたっており、薬事法の下で定められている「化粧品の効能範囲」の改正が監視強化に影響している可能性もある。
消費者庁による不当表示の判断は、景表法ガイドラインに順じて行われる。一つは提出資料が客観的に実証されたものであること。もう一つは表示された効能と提出資料により実証された内容が適切に対応しているか、というものだ。客観性は「公的機関の試験や専門家の見解、学会等で認められた学術文献であることなど」(消費者庁表示対策課)から判断される。
一方、「化粧品の効能範囲」に追加された「乾燥による小ジワを目立たなくする」という表示も、日本香粧学会が定める評価試験か、同等以上の試験により効能を担保することを求める。この規定は、景表法ガイドラインが定める客観性に通じるものがある。
消費者庁は「今回の不当表示の判断に薬事法は関係なく、あくまで景表法ガイドラインに基づくもの」とするが、"抗シワ"の根拠に一つの基準が示される中、一方でそれらの根拠を持たない不当表示の監視が強まってくる可能性があるかもしれない。