ルミネ（本社・東京都渋谷区、新井良亮社長）は、ネット販売を成長事業として強化する。

　通販サイト「アイルミネ」は、店頭と同様にカード会員ならいつでも５％オフで買い物できることが強みで、当面のターゲットをルミネの店頭客とし、ネットも併用してもらう。

　最近では動画を活用した販促によりネット会員の増加や、くちコミの拡散などで一定の成果を得ているほか、実店舗でもウェブへの導線を強化して集客につなげている。

　今年３月に実施したプロモーションでは、春物の立ち上がりに合わせて交通広告を活用した。店舗がある関東圏のＪＲや東京メトロ、東急電鉄の車両で動画配信（デジタルサイネージ）と中吊り広告を展開。サイネージでは１本20秒の動画を12パターン制作した。

　「キラキラアイルミネ」を全体のキャッチコピーとし、花見やデート、女子会など12のシーンに合わせたコーディネートを紹介する内容とした。「アイルミネ」に人気ショップがたくさんあることを伝える目的もあり、シーンごとに複数ブランドの商品でスタイリングしたのも特徴だ。

　プロモーションは実店舗とも連携。ルミネの店内に「キラキラアイルミネ」のポスターを掲出したり、女性用トイレではキラキラ感を出すため、化粧用鏡に透明なシートでキャッチコピーを貼ったという。

　通販サイトでは車両メディアと同じ動画をオリジナルＢＧＭ付きで見られるようにした（画像）。

　会員登録した先着１万人に１０００円分のオンラインクーポンを付与したこともあり、当該月は、平常月より多い１万人強の会員を獲得した。

　その後も、通販サイト内では「５月に服（ふく）、風」と題し、３月のキャンペーンでは登場しなかったブランドを中心に15のコーデ紹介動画を配信。各ブランドの服を着た男女が、公園や海をバックにコミカルな動きをする動画には、多くの「いいね！」ボタンが押されたようだ。

　「交通広告では"外から内＂への誘導を狙ったが、５月の動画は"内から外＂への情報発信を期待した」（Ｅコマース事業部）とし、あえてサイト内でのみ展開した。

　同社では、ルミネカードのアクティブ会員のうち、通販サイトの利用者は５％程度だが、これを今期は８～10％に増やしたい考えで、秋冬シーズンにも大型キャンペーンを計画。併せて、店頭での露出を徹底してサイトの周知を図る。