通販関連業界の展望<テレマ・メーリング> 付加価値創造がカギに
テレマーケティングとメーリングサービス。どちらも通販とは密接な関係にある業界で、通販業界の景気がこれらの業界に与える影響は小さくない。果たして両業界は今後の展望をどのようにみているのか。先日行われたそれぞれの懇親会で、各社のトップを中心に聞き取り調査を行った。
まず、コールセンター業界の2012年の市場の見通しについて。
「電話を受けるコールセンター業務についてはプラマイゼロか、ややマイナスだと思う。単純に電話対応業務だと成長しているとは見ていない。総量が増えない部分でシェアが移動しているのでは。ただ、メールやチャット、ウェブなどの電話ではない新しい部分は伸びると思う」(TMJ)、「経済情勢の持ち直しにより、堅調に推移するものと想定している」(NTTソルコ)、「コールセンターは多くなり過ぎ、価格勝負に走っている面がある。通販が伸びているため各社がそこに重心を置き始めているが、通販業界も過当競争になっているので、利益は圧迫されるのでは。ただ、厳しい面もあるが力のあるコールセンターにとっては追い風。最後はやはり品質の勝負になると思う」(ベルウェール)などの意見があった。
また、そうした現状を踏まえての今後の課題については「バックオフィス分野の市場開拓が重要課題のひとつ。今やすべての業種がバックオフィス業務の市場になりつつあると思う。電話は従来どおりしつつ、メールやチャットなど『電話ではないコンタクトチャネル』の開発に力を入れていく。」(TMJ)、「ソーシャルメディアに注力していく。ソーシャルメディアのコンサル部門を作り、引き合いも多い。商品認知度の向上による売り上げ拡大につなげていきたい」(ベルウェール)など、「電話対応以外」の部分に注力するという意見がみられた。
ソーシャルメディア対応やバックオフィス業務対応などは近年、コールセンター業界で活発化し始めている傾向。電話対応市場が頭打ちになりつつあるため、今後はよりこうした動きが加速する可能性が高そうだ。
次に、メーリングサービス業界の今後の見通しと自社の課題について。
「メーリング業務だけに限らない見直しが重要になる。従来のカタログ・DM以外のニューメディアとの組み合わせでDMを見直すわけだ。もしくは、DMでしかできない手法が見直されるといいと思う。生産性の向上と並行してこうした取り組みが重要になるだろう」(DMS)、「昨年よりは少し回復している感はある。政治の混迷などマイナス要因もあるがまずまずといったところ。今期は開設した新センターの稼働率を上げることと、提案型の営業していくことが課題。単純な発送代行の業務は今は少ないので、他のサービスと組み合わせてトータルでPRすることが大事」(アテナ)、「市場環境は厳しいと思う。ただ、昨年に比べると明るい雰囲気はある。近年は品質と個人情報保護に圧迫されてきた面があるが、その中でどれだけ生産性を上げて競争力を見につけていけるかが課題だ」(東京メール)などの声が寄せられた。
テレマ業界同様、「付加価値の提案」が今後のカギを握るようだ。
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まず、コールセンター業界の2012年の市場の見通しについて。
「電話を受けるコールセンター業務についてはプラマイゼロか、ややマイナスだと思う。単純に電話対応業務だと成長しているとは見ていない。総量が増えない部分でシェアが移動しているのでは。ただ、メールやチャット、ウェブなどの電話ではない新しい部分は伸びると思う」(TMJ)、「経済情勢の持ち直しにより、堅調に推移するものと想定している」(NTTソルコ)、「コールセンターは多くなり過ぎ、価格勝負に走っている面がある。通販が伸びているため各社がそこに重心を置き始めているが、通販業界も過当競争になっているので、利益は圧迫されるのでは。ただ、厳しい面もあるが力のあるコールセンターにとっては追い風。最後はやはり品質の勝負になると思う」(ベルウェール)などの意見があった。
また、そうした現状を踏まえての今後の課題については「バックオフィス分野の市場開拓が重要課題のひとつ。今やすべての業種がバックオフィス業務の市場になりつつあると思う。電話は従来どおりしつつ、メールやチャットなど『電話ではないコンタクトチャネル』の開発に力を入れていく。」(TMJ)、「ソーシャルメディアに注力していく。ソーシャルメディアのコンサル部門を作り、引き合いも多い。商品認知度の向上による売り上げ拡大につなげていきたい」(ベルウェール)など、「電話対応以外」の部分に注力するという意見がみられた。
ソーシャルメディア対応やバックオフィス業務対応などは近年、コールセンター業界で活発化し始めている傾向。電話対応市場が頭打ちになりつつあるため、今後はよりこうした動きが加速する可能性が高そうだ。
次に、メーリングサービス業界の今後の見通しと自社の課題について。
「メーリング業務だけに限らない見直しが重要になる。従来のカタログ・DM以外のニューメディアとの組み合わせでDMを見直すわけだ。もしくは、DMでしかできない手法が見直されるといいと思う。生産性の向上と並行してこうした取り組みが重要になるだろう」(DMS)、「昨年よりは少し回復している感はある。政治の混迷などマイナス要因もあるがまずまずといったところ。今期は開設した新センターの稼働率を上げることと、提案型の営業していくことが課題。単純な発送代行の業務は今は少ないので、他のサービスと組み合わせてトータルでPRすることが大事」(アテナ)、「市場環境は厳しいと思う。ただ、昨年に比べると明るい雰囲気はある。近年は品質と個人情報保護に圧迫されてきた面があるが、その中でどれだけ生産性を上げて競争力を見につけていけるかが課題だ」(東京メール)などの声が寄せられた。
テレマ業界同様、「付加価値の提案」が今後のカギを握るようだ。