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ヤマトコンタクトサービス、通販事業者対応を強化、待ち時間短縮し満足度向上

2012年 6月 7日 10:51

商品配送問合せ等、グループ連携強み活かす

商品配送の「宅急便」をはじめ、システム開発や物流、代金決済など、グループ各社が通販事業者向けの独自サービスを展開するヤマトグループ。各社のサービスを有機的に結び、顧客満足度の向上を図る上で重要な役割を果たしつつあるのが、同グループでテレマーケティング事業を手掛けるヤマトコンタクトサービス(=YCS、本社・東京都豊島区)だ。同社の石王丸竜一社長は、「通販事業者と顧客、ヤマトグループのインフラをつなぐハブになる」と語る。
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 YCSは社内ベンチャー制度により、2003年9月に設立。現在、池袋や埼玉、土浦など全国9カ所にコンタクトセンター(合計約1100席)を設けており、今年8月には、鳥取市内に10カ所目の拠点となる「鳥取インテリジェントコンタクトセンター」の開設を予定する。

 現在のクライアント企業数は185社で、このうち、通年でYCSにコンタクトセンター業務を委託する通販事業者は30~40社。健康食品や化粧品を扱う中小事業者が中心だ。

 受注が集中する繁忙期のスポット的な利用、業務量に合わせた席数の提供など、柔軟なサービス提供を通じ、売り上げの拡大と、固定費の変動費化によるコストダウンに貢献するというのがベースのコンセプトだが、他にはないYCSの強みと言えるのが、グループ各社が提供する通販向けサービスと連携した提案だ。

 実際、通販関連のシステム開発などを手掛けるヤマトシステム開発、通販事業者向け物流サービスの「トゥデイ・ショッピング・サービス」を手がけるヤマトロジスティクス、「宅急便」のヤマト運輸、決済のヤマトフィナンシャル、さらにテレマのYCSと、通販に必要な機能を全てカバー。通販事業者側は、自社に必要な機能の選択、フルアウトソーシングをすることもできる。

 特に伸び盛りの通販事業者や、通販参入を検討する事業者のメリットが大きく、YCSとしても、通販事業者向けに「受注センタープラス、通販業務のBPOのアウトソーサーとしてサービスを提供していく」(石王丸社長)とする。

 テレマーケティング業務でも、YCSが顧客とグループ各社のサービスを結ぶハブとなることで、独自の強みが発揮できると見る。

 例えば、顧客から商品が届かないという問い合わせがあった場合、通販事業者がグループ各社のサービスを導入していれば、直接グループ企業に配送状況などを確認し、顧客に回答できる。通販事業者側にとっては、委託先への確認作業などの手間が軽減できるだけでなく、顧客を待たせる時間の短縮化、すなわち顧客満足度向上にもつながるわけだ。

 こうした顧客対応で重要な役割を果たすのが、通販専門のオペレーター。受注対応だけではなく、物流や配送、通販管理システムなどグループ各社の担当者による教育・研修を受けたオペレーターで、商品配送状況などを確認するスキルを持つ人材で、現在、池袋や埼玉、足立、都城の各コンタクトセンターに数十人ずつを配置。最大200人規模の対応体制を敷く。

 通販事業者が自社でコンタクトセンターを持つ場合、オペレーターの採用や教育など、相当の手間が掛かるが、YCSでは、バックヤードの仕組みに精通した通販専門のオペレーターを「明日からでも準備できる」(同)。さらに、オペレーター向けの宅急便センター・ベース見学会の開催などを通じ、より的確な顧客対応にも取り組む。

 YCSでは今後、専門オペレーターの増員など、通販事業者向けの展開の強化を推進。ヤマトグループ各社のサービスを有機的につないだサービス展開を通じ、顧客満足度の向上と通販事業者の売り上げ・利益の拡大に貢献していく構えだ。

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