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招待制の通販サイトを運営するギルト・グループ(本社・東京都中央区)は昨年10月にソフトバンクが資本参加(49%)し、米ギルトとの合弁体制に移行した。新生ギルトでも舵取りを担うピーター・グラスカーCEO(写真)に直近の取り組みや事業環境などを聞いた。
CEO就任後を振り返ると。
「日本法人のCEOに就任して1年半。震災の影響はあったが、順調に事業を軌道に乗せることができた。日々、課題はあるものの、これまでの成果には概ね満足している。売上高は2011年6月期が前年比125%増、12年6月期も50%増で着地する見込みだ」
その間、変化は。
「従業員も倍になった。業務拡大に伴い、フォトスタジオとクリエイティブチームを残して東京・江東区(辰巳)から銀座にオフィスを移した。取り扱いブランドも順調に拡大して1000以上に、日本の会員も100万人を突破した。また、昨年10月にソフトバンクが出資して米ギルトとの合弁会社になった」
ソフトバンクが資本参加した経緯は。
「米親会社が資金調達を進めている中で、ソフトバンクが興味を示した。日本に照準を合わせていたわけではなく、話し合いの中で日本でも直接投資をということになったようで、ソフトバンクはギルトに2つの投資を行ったわけだ」
合弁体制に移行後、具体的な動きは。
「まず、ソフトバンクの携帯ユーザーにギルトのプロモーションをかけた。モバイルの重要性は高まってきており、実際、当社の売り上げの30%がスマホを含めたモバイル経由となっている」
そのほかは。
「物流面ではソフトバンク・フレームワークスと提携して改革に着手しており、物流センターも5月に辰巳から川崎に移した。今後もソフトバンクとの協業で色々な仕掛けを考えている」
合弁化のデメリットは。
「ソフトバンクは日々の業務にはかかわらないということを明確にしているし、サポートに徹してくれている。彼らの利害でギルトの方向性が変わることはない」
取り扱い商材も増えている。
「売れ行きの良いホームグッズを切り離して別タブで表示できるようにしたばかりだ。1年が経過した体験型クーポンの『ギルト・シティ』は難しいビジネスだが概ね堅調と言える。競合が多く、彼らと真っ向勝負はしない。品質と品ぞろえで差別化する」
物販のフラッシュセール市場の見通しは。
「まだまだオンライン市場に占める割合は少なく、成長段階にあるのは確か。その中で主要プレーヤーであり続ける。日本に限らず、フラッシュセール市場で生き残れるのは1社か2社。より良い品ぞろえとサービスで、顧客をエキサイトさせ続ける」
来期については。
「引き続き技術面の革新は欠かせない。サイト内の機能強化や個人仕様に近い見せ方、モバイルの展開を強化し、来期はこれまで以上の成長を狙う。変化が激しいオンライン市場では柔軟性が求められるが、フラッシュセールは臨機応変に対応できるモデルだ」