千趣会は、吸汗速乾、防菌防臭などの機能を付加したインナーシリーズ「サラリスト」の売れ行きが順調なようだ。夏場の節電を見越して汗対策商品のラインアップを拡充したことが奏効し、代表商品である「汗取り」シリーズや「大汗さん」シリーズなどの受注が伸長。今夏シーズンは「サラリスト」シリーズ全体で、前年比50％増となる80万枚の販売を目指す。

　千趣会では、夏場の節電で汗対策のニーズが高まると判断。「サラリスト」シリーズの商品ラインアップも、汗対策商品を強化する形で昨年の33型から41型に拡充。インナーだけではなく、足元の汗対策商品も強化するなど利用のハードルを引き下げる工夫も盛り込んだ。
　このうち代表商品のひとつとなる「汗取り」シリーズでは、キャミソール、タンクトップ、フレンチ袖の３型（６色、５Ｌサイズまで）を展開する。価格は１枚９９０円。３枚以上の購入で１枚あたり７９０円とし、まとめ買いニーズに対応した。

　商品は、防菌防臭加工のほか、汗など水分の吸収で繊維が伸長し通気性を高める素材「ベントクール」や、吸汗速乾の「クールプラス」、吸熱効果の「キシリトール」、ソフトな肌触りの生地「モダール」の４機能を組み合わせたのが特徴。

　また、各商品のパーツや形状も工夫し、脇パッドについては、人の腕の振り方の関係で脇の前側が汗をかきやすいことを踏まえ、前高で幅を持たせたものを採用。また、前かがみになった際に背中部分が見えないよう後ろ身頃を長くするほか、背中の汗もカバーできるようにハイバック仕様とした。

　また、「サラリスト」シリーズのもうひとつの代表商品となるのは「大汗さん」シリーズ。汗かきの顧客向けに展開する商品で、キャミソールと三分袖、キャミスリップの３型（４色、５Ｌサイズまで）を用意。脇部分への特大汗取りパッドの採用や防水布の内蔵による汗ジミ対策などを施したのが特徴だ。

　同シリーズは以前から展開しているものだが、今シーズンは、三層構造の脇パッドにやわらかな肌触りの素材「モダール」を採用することで着心地を改善。キャミソールでは、型紐部分にまで前高の脇パッドを縫いつけているが、着心地の良い縫い付け位置の検証に時間を掛けたという。

　価格は、キャミソールが１２９０円、三分袖が１４８０円、キャミスリップが１６９０円。昨年よりも引き下げ、購入しやすくした。

　今夏の「サラリスト」シリーズの販売計画は、「汗取り」シリーズで30万枚、「大汗さん」シリーズで20万枚、他の商品で30万枚の合計80万枚。これまでの受注状況としては「ほぼ計画通り」（インナーウェア開発チーム・添島久美子マネージャー）に推移しており、特に「大汗さん」シリーズは、計画を上回っているという。ゴールデンウィーク明け頃からは、まとめ買いも増えている状況で、これから気温が上昇するにつれ、受注がさらに増えていきそうだ。