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楽天は第三者割当増資を引き受け、ケンコーコムの発行する新株2万7706株を取得する。取得価額は15億2200万円。グループの投資会社であるRSエンパワメントが保有する7480株と合わせると3万5186株となり、所有割合は51・41%で筆頭株主となる。
楽天では、4人の取締役をケンコーコムに送り込む計画。社長交代やブランド名の変更については「特に決まっていない」(楽天)とする。
楽天は今後、ケンコーコムとの協業について、健康関連商品や日用品の販売拡充や、物流インフラ・システムの効率化、海外業務展開、医薬品ネット販売の強化などを協議していく。
ただ、具体的な連携内容は未定で、「これから検討していく」(同)段階。販売やオペレーションのノウハウの共有なども行うとし、一例としては物流拠点の共同運営などが挙げられるという。
ケンコーコムは調達した資金を基に、物流ネットワークの増強や自動梱包ラインの導入、什器や備品類の購入など物流拠点の拡充を実施。また、倉庫管理システムや受注システムの刷新といったシステム整備も行う予定だ。8月に開設する、中国の通販サイトや海外物流拠点の拡張への投資も予定している。
楽天では先日も、アパレルネット販売大手のスタイライフと資本提携を結ぶなどネット販売事業者に出資する動きが続いている。
楽天は「ベースとして、ネット販売のプラットフォームを提供していくという立場は変わらない」(同)としているが、「各ジャンルで誰がメーンプレイヤーになるのがいいのか、いろいろやり方があると思うのでタイミングを見ながら模索していく」(同)とも話しており、今後、他ジャンルでも「楽天ブックス」のように自ら販売する手法を採用する可能性はありそうだ。
ただ、「楽天市場」の出店店舗がグループ入りすることについては、「販促面で優遇を受ける可能性もあり得る」(競合A社)との指摘も出ている。楽天では「他の店舗から理解してもらえる施策を行っていく」(同)としているが、展開次第では、同モールに出店する競合他社からの反発を招く可能性もありそうで、今後の展開は通販事業者から注目を集めそうだ。