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ドウシシャのネットTV 通販事業者に拡販、ネットスーパーが採用も 

2009年12月11日 16:56

081.jpg商品卸大手のドウシシャは、リモコンでウェブサイトが閲覧可能な小型テレビを、ネットスーパーやテレビ通販の事業者向けに売り込む。チャンネルボタンを押すだけでウェブサイトにアクセスできるのが特徴で、空いたボタンにネットスーパーのサイトを登録したカスタマイズモデルを販売することも可能。ネットスーパーなどの事業者は、インターネット回線とのセット販売などでテレビを安価に提供し、顧客獲得につなげる狙いがある。

 12月に発売予定の「ROBRO(ロブロ)―TV」は19型の液晶テレビ。ドウシシャ、オリオン電機、カデンザの3社が共同で開発しており、販売はドウシシャが手掛ける。通常の地上デジタル放送局のほか、12チャンネル以降にはウェブサイトなどがあらかじめ割り当てられており、リモコンで番号を入力するだけでサイトにアクセス可能。通販関連では楽天市場のほか、アマゾンジャパンも標準で設定されている。

 小型PC「ネットブック」などで使われる、インテルのCPU「ATOM」を搭載。OS(基本ソフト)にはマイクロソフトのウィンドウズXPを採用した。テレビからネットへの切り替えが速いのも特徴だ。

 大手家電メーカーが提供する、デジタルテレビ向けネットサービス「アクトビラ」は専用サイトが必要なのに対し、ロブロでは通常のパソコン向けサイトが閲覧できる。テレビ視聴中に気になった商品を、すぐにパソコンで検索するといった活用も可能となる。高齢者などパソコンに不慣れな層を対象としており、個室用やキッチン用など、2台目以降のテレビとしての需要や、大画面テレビが不要な単身者などの需要も見込む。

 空きチャンネルにウェブサイトを割り当てられるほか、電源を入れた直後に表示される「0チャンネル」もカスタマイズ可能。これを活用し、ネットスーパーなどが顧客獲得にロブロを利用する動きが出ている。

 価格は6万9,800円(税込)だが、インターネット回線とのセット販売を行うため、通信事業者からの販売奨励金などを含めれば、「価格は2―3万円まで下げることも可能」(IR広報担当)という。

 ネットスーパーの場合、外出の機会が減りがちな高齢者は潜在的な顧客層といえるが、パソコンを持っていなかったり、不慣れだったりするため、有効なアプローチはできていないのが実情だ。ネットスーパーのサイトが0チャンネルとして設定されたテレビを"ばら撒く"ことで顧客獲得につなげる。
 ドウシシャではネットスーパー以外にも、通販関連ではテレビ通販事業者を有望な卸し先とみており、ロブロを売り込みたい考え。
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