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加熱する"トマト祭り"(上) 脂肪燃焼効果で一躍脚光――ネット等で受注急増

2012年 2月23日 11:09

トマト.JPG 京都大学の研究グループがトマトで脂肪燃焼を助ける効果がある物質を発見したという報道があったことを受け、2月10日頃から、トマト関連商品が爆発的な売れ行きを見せている。ヒトで即ダイエット効果が得られるかは確認されていないが、店頭では、トマトやトマトジュースが欠品する事態が発生。通販・ネット販売でも、トマト関連商品の受注が急増している状況だ。

 大手仮想モールの動向を見ると、楽天では報道のあった10日を含む2月6日の週のトマトジュースの取扱高が前年同期比160%となった。これは例年にない伸びで、北海道の事業者も「本来、この時期に売れないトマトジュースが売れているのは異常なこと」と話しているという。

 生鮮のトマトについては、扱う出店事業者が少ないものの、やはり同135%と高伸。特に糖度の高いフルーツトマトが好調のようだ。トマト関連のサプリメントでは、今のところ特に動きが見られないが、「恐らく、これから伸びるのでは」(楽天)と予測する。

 ヤフーでも、2月10日を境にトマト関連商品の取扱高が急増しており、2月10日から15日の期間の取扱高は、「トマトジュース」の名称を含む商品で前年同期比平均3200%となったほか、生鮮のトマトが同約300%、商品名に「トマト」を含むスイーツが同約1300%、同じく商品名に「トマト」を含む健康食品が同平均710%となっており、商品によっては売り切れも出てきているという。(※画像はヤフーショッピングの「トマト」で検索した画面)

 ヤフーでは研究発表の報道後、トマトに特化したプロモーションなどを特に行っていないが、「お客様が目的言意識を持って、トマト関連商品を探されていた、と言えるのではないかと思う」(広報)と分析。今後も伸びが期待できると見ているようだ。

 一方、健康関連商品のネット販売を行うケンコーコムでも、2月10日からトマト関連商品の販売が急増し、2月3日から13日の期間におけるトマト関連商品の受注件数は前年同期比30倍以上、出荷ベースで同約2倍。「リコピン」などのトマト関連の成分を含む健食も、「総数は少ないが2月10日を境に売れている」(広報)という。

 このほかにネットプライスでも、テレビ等での報道があった直後からトマト抽出エキスを含んだ健康食品の注文が増加。1日で200個弱を販売したという。トマトジュースや野菜ジュースでは一連のブームを受け、21日に予定していた販売時期を14日に前倒しして展開したが、すぐに完売。その後の追加販売した商品も完売するといった状況だ。

 同社では、しばらくトマト人気が続くと見ており、「お客様のニーズがある限り、商品の調達、販売をしていく」(同社)考え。モバイルサイトにトマト関連商品を集めた特設コーナーを設けるなど、販促施策を継続する予定とする。(つづく)
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