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花王の「オリエナ」 「詰め替え用」で継続促進、ボトルタイプで〝最後の一滴〟まで

2011年 8月 3日 18:26

081.jpg 「最後の一滴まで使いきりたい」。安くはない嗜好品である化粧品を使う女性の当然の心理に配慮しつつ、同時に顧客の継続化を促す取り組みとして花王の通販専用ブランド「オリエナ」で開発を進めたのが「詰め替え用ボトル」だ。本商品に比べ価格も抑えることができるため、リピート購入に対するハードルを下げることにも貢献している。今年8月から展開を始めた育毛剤(本紙1328号既報)にも採用し、顧客の継続化を促していく。

  開発のきっかけは、エイジングケアライン「バイタルサプライ」シリーズに採用しているガラス製の容器。顧客から"捨てるのがもったいない"といった声が多く寄せられており、何らかの対応策が必要と感じていた。

  エイジングケアラインの容器デザインは、赤紫色のガラス製容器に薄く唐草模様をあしらったもの。ガラス製で高級感があるため、使い終わった容器を花瓶などに使う顧客もいるよう。とはいえ、継続利用となれば、容器は溜まる一方。"もったいない"という顧客の心理は購買にも影響を与える可能性がある。

 そこで昨年10月に発売したのが化粧水の「詰め替え用ボトル」(130ミリリットル、税別4000円)だ。"詰め替え用"というと、シャンプーや洗剤などで広く普及するパウチタイプのものが一般的だが、化粧品は女性にとって安くはない嗜好品。最後の一滴まで逃さず詰め替えを行えるよう、安定感が良く、着実に詰め替えが行えるボトルタイプ(=写真)を採用した。

  「詰め替え用ボトル」の価格は4000円(税別)。本商品の価格は4500円(同)のため、定期コースによる割引、さらに詰め替え用ボトルを定期便に設定することで、より安く購入することができる。「化粧品には使うことによって感情を満たす側面もある」(同社)との判断から、定期コースには本商品と詰め替え用の2パターンを用意するが、化粧水は約半数の顧客が詰め替え用を選択しており、浸透が進んでいる。花王としても利益率が「やや良くなる」(同社)ため、双方にとってプラスの効果を生んでいるようだ。

 今年8月から展開する「育毛エッセンス」(同3800円)にも3000円台前半の価格で詰め替え用を用意。これによりリピート購入を促していく。さらに今年12月からは店頭のデパートブランド「ソフィーナボーテ」にも採用。通販の発想が生んだ「詰め替え用ボトル」を店頭の顧客囲い込み策にも活かしていく。
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