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横浜ベイスターズ ネット販売を収益源に、赤字からの脱却目指す

2011年 7月28日 17:32

055.jpg3年連続の最下位に沈み、昨年秋には身売り騒動も起きた横浜ベイスターズが、ネット販売を活用した新たな収益源の確立に乗り出した。今年6月に横浜の地域情報を発信するポータルサイト「BayTownTV」を開設。横浜市や横浜観光コンベンション・ビューローなどのほか、地元横浜の元町商店街とも提携。厳選した商品を仮想商店街で販売している。ベイスターズでは、3年以内にポータルサイトからの収入を20億円にしたい考えだ。

 サイトでは横浜市のイベントやグルメといった観光情報を提供するほか、仮想モール「BAYSHOPストリート」も用意した。バッグのキタムラなど、横浜・元町商店街のショップが参加している。

 商店街の協同組合である、元町SS会がバイヤーとなっており、店舗からは売上金額のうち手数料7%を徴収。このうち、2%をSS会が得る形となる。

 横浜ベイスターズの高木弘二営業部長は「地元の球団である以上は、まちおこしに協力する必要がある。地域にとって役立つ存在でなければ、本当に親身になって応援してもらえる球団とはいえないのではないか」と話す。

 仮想モールでは、移動中などに選手が着る「ベイスターズ公式チームスーツ」や「ベイスターズ公式ネクタイ」といったコラボ商品も販売する。ただ、モールにはまだ11店舗しか参加しておらず、取り扱う商品も少ない。

 高木営業部長は「神奈川県内のみならず、日本中から商品を集めたい。例えばパ・リーグの交流戦でホークスと試合をするならば、福岡とのコラボ商品を販売する、といったケースも考えられるだろう」と話す。

 ポータルサイトは通販サイト構築のエルテックス(本社・横浜市保土ヶ谷区、犬飼邦夫社長)が構築した。仮想モール以外にも、外国人選手による英会話教材の提供を計画しているほか、将来的には試合動画の活用も予定している。コンテンツを増やしていくことで、新たなファンの獲得につなげる狙いだ。

 セ・リーグの球団はこれまで、放送権料を主な収益源としてきたが、近年は巨人戦の地上波テレビ放送が激減している。そのため、ベイスターズでも毎年約20億円の赤字が発生しており、親会社のTBSグループにとっても赤字の穴埋めが大きな重荷となっているのが現状だ。

 ポータルサイトを新たな収益源にできれば赤字体質からの脱却もみえてくる。日本の球団は一部の人気球団を除き、どこも慢性的な赤字に苦しんでおり、ベイスターズの取り組みが成功するかどうかが注目される。

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