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新社長に聞く、百貨店通販次の一手は? JFRオンライン、榎本朋彦社長、顧客対応力をウエブに移植

2011年 7月 7日 13:06

3年後ネット比率25%に

百貨店の強みはネットに生きているのか。

 「百貨店のコンサルティング力や販売手法はネットでも有効なはずだが、これを生かせていないのが現状だ。例えば靴を店頭で販売する際、顧客が求めるサイズの前後サイズや色違いを持っていくことは、ネット上ではザッポスがやっていることに近い。本来ならコンサルティングのノウハウを持つ百貨店がサービス化しなければいけない」
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 リアルとネットの違いもある。

 実店舗では行っているのに、ネット販売は新しい世界だと思い違いをして採用してこなかったわけだ。消費者が買い物をするときに求めるものは店舗でもウェブでもそんなに変わらないはず。ネット販売では削られてきたサービスを見直したい」

 成長市場に乗り遅れた感がある。

 「ネット販売が成長市場と言っても、実際には儲かっていない企業がほとんどで、成長に中身(利益)が伴っていないのが現状だろう。業界が"業態"として成り立つまでに、百貨店ならではの高いロイヤルティの構造を構築したい」

 カギとなるのは。

 「一般的に『顧客流出』という言葉は離脱客のことと思われがちだが、百貨店の場合は、例えば月に4回買っていた人が3回に減ることを意味する。こうした高い水準で愛着度を高める仕組みを作り出すことが、この業界の中で地位を高めていくことにつながると考えている」

 スケジュール感は。

 「3カ年の前半は従来の基盤を強固にすることが中心だが、それ以降は仕掛けの部分を重視する。百貨店としてウェブで本来の力を発揮できるように、いろいろなトライアルをしたい」

 ネット以外でも顧客との接点を作る。

 「その通りだ。百貨店は店舗というワンチャネルだが、通販はいろいろなチャネルを包括している。リアル店舗以外のすべての販売チャネルを対象に、コミュニケーションツールを開発していく」

 新しいチャネルの活用は。

 「NTTぷららが運営する『ひかりTVショッピング』に参加して、昨年12月からカタログ商品を投入している。まだトライアルの段階だが、第一弾のおせち料理は予想以上に売れた。3月からは『大丸松坂屋通信販売』の看板で出品し、生活用品や食料品を中心に家具なども展開している」

 親会社がスタイリングライフ・ホールディングスに資本参加した。

 「スタイリングライフ傘下の通販会社のライトアップショッピングクラブとは時間をかけて、取り組める部分からチャレンジしていきたい。お互いに古くから事業を展開しており、既存顧客を大切にしながら新しい発想も取り入れたい」

 JFRオンラインの出だしは。

 「今期の業績はマルコレ事業の減収もあって前年並みか微減を計画している。3カ年ではグループにインパクトを与える規模にしたい。カタログの売り上げは落とさず、2014年2月期をめどに現在5%のウェブ比率を25%に引き上げたい」



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