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東京都のネット広告監視 景表法で191社指導、JADMA会員10社も

2011年 6月16日 09:00

 東京都は10年度、景品表示法に違反する恐れがあるとして191の通販事業者の改善指導を行った(指示処分1件を含む)。「インターネット広告における不当表示調査」は09年度から都の重点施策の一つとして実施するもの。今回の指導には、09年度の指導実績を踏まえ、指示に至ったもしも(本社・東京都渋谷区、実藤裕史社長)も含まれている。10年度の調査でも1事業者で10件の不当表示の改善を求めたケースがあり、改善が見られない場合、指示処分など、より重い措置に踏み切る意向。「今度も(改善要請した)事業者の動向を注視していく」(生活文化局消費生活部取引指導課)としている。


 10年度の調査の結果は、景品表示法(景表法)に抵触する恐れのある表示が191事業者で302件に上った。09年度の実績(136事業者・182件)を上回ったが、「課の検索ノウハウの向上が寄与したが、ネット上の違法表示は全く無くならない印象」(同)と、今後も改善指導した事業者の表示を注視する方針。指導した事業者には「日本通信販売協会(JADMA)会員社も「10社近く含まれた」(同)という。

 商品別の内訳は、「健康食品」が100件、「石けん・洗剤」が44件、「除菌消臭商品」が42件、「健康美容用具」が30件、「害虫対策商品」が17件、「化粧品」が17件、「その他」が52件だった。

 違反内容は、「優良誤認」が290件、「有利誤認」が58件。"新成分の力でお腹の脂肪が胸に移動する""たったの2週間でマイナス5キログラムを実現!?"など強力なダイエット効果があるかのような表示(いずれも優良誤認)や、"モニター特別価格80%オフ"として商品の値引きを強調しながら、"定価"とされる価格で販売事実がなく、常に特別価格で販売している商品の表示(有利誤認)などがみられた。

 最近の傾向として「景表法を意識している事業者が少なく、仕入れ先から提供された商品情報を鵜呑みする事業者や、他の事業者の広告を参考に表示を行う事業者など、販売者として自覚・責任のない事業者が目立つ」(同)としている。

 東京都では、消費者庁に監視指導の強化を要望したほか、日本広告審査機構、JADMAに表示の適正化に向けた取り組みの強化を要望。

 消費者庁では、「二重価格などネット上で問題となる表示監視をより積極化する」(表示対策課)としている。

 東京都は、月別に「健康食品」「化粧品」などテーマを決めて、関連する検索キーワードを設定。ヒットした2万件の広告から不当表示の疑いのある約1000件を絞り、詳細を調査、改善指導につなげている。


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