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楽天 ブラジルで仮想モール開始、現地ベンダーの子会社化で

2011年 6月16日 08:57

 楽天は5月27日、ブラジルでネット販売支援事業を展開するIkeda社(イケダ)の株式75%を取得し子会社化した。年内にもブラジル版「楽天市場」を開始するもようだ。経済発展が著しいブラジルへの進出でグループ売上高の拡大を狙う。


 楽天が子会社化したイケダは小売企業向けにネット販売用プラットフォームの提供と運営を行っている。取引先は150社で、「取扱高は約2億USドル(約160億円)で、現在30~40%の成長を遂げている」(三木谷浩史社長)とし、SaaS型のサービスではブラジルで最大手だという。
 
 楽天は同社の株式75%を取得(金額は非公表)し、子会社化。早ければ年内にも日本の「楽天市場」のような仮想モールの運営を開始する。残りの株式25%はイケダが保有し、社長にはリカルド・ヨウイチ・イケダ氏が留任。イケダの商号は、近く「楽天ブラジル」に変更する予定。
 
 ブラジルでの事業計画については将来的に現在のSaaS型サービスと同程度の取扱高に成長させる考えで、「日本の『楽天市場』に追いつき追い越したい」(三木谷社長)とする。ブラジルは大手EC事業者が進出していないため、楽天としては先行者メリットを発揮して顧客開拓を進めていく。
 
 ブラジルでの展開にあたり今後の成長には「インフラが鍵」(三木谷社長)となるが、ブラジル政府は2014年までに88%の家庭に高速ブロードバンドを普及させることを目標に掲げている。また、14年にサッカーのワールドカップ、16年にはリオデジャネイロ五輪の開催も控えており、こうした"ビッグイベント"を契機に物流面などでのインフラ整備が進むことも予想される。
 
 三木谷社長は「マーケットシェアを持っていて、我々とのシナジーも高い企業と組めたことで成功する可能性は高い」とし、プラットフォーム提供と仮想モール運営をブラジルでの事業の両軸としていくもよう。


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