【折込Report】 2010年の折込広告出稿状況
今回から2回にわたり、2010年における全国の折込広告の出稿動向と通販に特化した折込広告の出稿状況を探る。第1回目の今回は、2010年1年間に配布された全国の折込広告動向に着目する。
全国の折込広告出稿枚数は、前年比99.2%で4年連続減少となるも、減少幅は縮小傾向!
2010年に全国で配布された折込広告は、年間で一世帯平均6012.8枚(前年比99.2%)だった。ここ数年来、折込広告の出稿枚数は減少を続けていたが、その減少幅は徐々に縮小傾向となっている。月単位で見てみると、一世帯当たりに配布された折込広告は平均501.1枚。前年同月で比較すると4・6・7・11・12月の5ヶ月で前年増となり、年末に向かって緩やかに出稿が回復してきたことがわかる。
地域別で見ると、2010年は中部が最も多く6333.0枚。次いで2009年は最も多かった北関東で6227.1枚、首都圏6208.6枚と続いている。一方、最も少なかったのは四国の4971.2枚で、最多出稿数の中部とは1361.8枚の差があった。また、北海道・東北・近畿・四国・九州の5地区では、枚数が前年増となっており一部の地域で折込広告の出稿が戻ってきている。これら前年比を上回った5地区に共通しているのは、「流通」と「各種サービス」が好調だったことだ。特に「靴・履物」や「カジュアル衣料」「家具・インテリア」や「自動車」「カー用品」「メーカー」などが出稿が好調な業種だった。
今年も主力は「B4」「B3」「多色」
サイズは、「B4」が全体の6割強を占め主流となっており、前年と比較してもその構成比率が63.3%→64.1%と顕著である。また「B5以下」も1.4%→1.8%と比率を伸ばした。「B3」に関しては、構成比を若干減らしたものの(29.7%→28.6%)、「B4」「B3」合わせて92.7%と、折込広告の主力であることに変わりはなかった。刷り色を見ても、前年に比べ「多色」が85.8%→86.9%となり、「多色」の傾向がより強まっている。
一方曜日別では、「土曜日」の比率が27.2%と最も高く、次いで「金曜日」が16.4%。「金・土曜日」を合わせると43.6%で週全体の4割強も占めた。また、2010年は「月曜日」と「火曜日」の出稿が前年と比較して伸びていることがわかる。この伸びについては「月・火曜日」に折込広告出稿が集中する「塾・予備校」の出稿が全国的に伸びているのと、首都圏をはじめとした都市圏で「百貨店」が火曜日に出稿を増やしたのが影響していると思われる。
折込の代表格は、今年も「食品スーパー」。「自動車」は驚異的な伸び
最も多く見られた業種は、「食品スーパー」。全折込広告の10.8%と大きなウエイトを占め、今年も折込広告の代表格となった。また次いで多く見られたのが「パチンコホール」で、全体に占めるウエイトも10.1%とほぼ「食品スーパー」と互角。この両業種は、前年比も上回っておりここ数年は堅調な伸びを示している。
そんな中、2010年の折込出稿動向で特筆すべきは「自動車」だろう。「自動車」の折込広告出稿は、リーマン・ショック以前から徐々に陰りを見せていたが、リーマン・ショックがさらに追打ちをかけ、その出稿量は当社の2009年度調査における対前年比で73.6%にまで落ち込んだ。ところが、2009年度から開始された「エコカー減税」を背景に、2010年の年初からは徐々に出稿は回復基調となり、2010年6月28日から開始された「高速道路無料化社会実験」がさらに追い風となって、7月・8月と出稿が順調に増え、年間トータルで前年比112.3%と出稿数を伸ばした。また「サイズ」も拡大傾向となり、「多色」も多用されるなど、「自動車」は2010年の折込広告出稿における牽引役の一つとなった。
2010年は、「景気二番底の年」ではないかと懸念されながらのスタートだったが、ふたを開けてみれば、企業の業績が緩やかに回復、それに従い消費も徐々に回復してきた感があった。ただ、その中でも回復の兆しを見せている企業と未だ回復の糸口が見出せない企業との二極化が進んでいる。これは折込広告の出稿状況においても同じといえよう。次回は、通販の折込広告事情に着目していきたい。
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全国の折込広告出稿枚数は、前年比99.2%で4年連続減少となるも、減少幅は縮小傾向!
2010年に全国で配布された折込広告は、年間で一世帯平均6012.8枚(前年比99.2%)だった。ここ数年来、折込広告の出稿枚数は減少を続けていたが、その減少幅は徐々に縮小傾向となっている。月単位で見てみると、一世帯当たりに配布された折込広告は平均501.1枚。前年同月で比較すると4・6・7・11・12月の5ヶ月で前年増となり、年末に向かって緩やかに出稿が回復してきたことがわかる。
地域別で見ると、2010年は中部が最も多く6333.0枚。次いで2009年は最も多かった北関東で6227.1枚、首都圏6208.6枚と続いている。一方、最も少なかったのは四国の4971.2枚で、最多出稿数の中部とは1361.8枚の差があった。また、北海道・東北・近畿・四国・九州の5地区では、枚数が前年増となっており一部の地域で折込広告の出稿が戻ってきている。これら前年比を上回った5地区に共通しているのは、「流通」と「各種サービス」が好調だったことだ。特に「靴・履物」や「カジュアル衣料」「家具・インテリア」や「自動車」「カー用品」「メーカー」などが出稿が好調な業種だった。
今年も主力は「B4」「B3」「多色」
サイズは、「B4」が全体の6割強を占め主流となっており、前年と比較してもその構成比率が63.3%→64.1%と顕著である。また「B5以下」も1.4%→1.8%と比率を伸ばした。「B3」に関しては、構成比を若干減らしたものの(29.7%→28.6%)、「B4」「B3」合わせて92.7%と、折込広告の主力であることに変わりはなかった。刷り色を見ても、前年に比べ「多色」が85.8%→86.9%となり、「多色」の傾向がより強まっている。
一方曜日別では、「土曜日」の比率が27.2%と最も高く、次いで「金曜日」が16.4%。「金・土曜日」を合わせると43.6%で週全体の4割強も占めた。また、2010年は「月曜日」と「火曜日」の出稿が前年と比較して伸びていることがわかる。この伸びについては「月・火曜日」に折込広告出稿が集中する「塾・予備校」の出稿が全国的に伸びているのと、首都圏をはじめとした都市圏で「百貨店」が火曜日に出稿を増やしたのが影響していると思われる。
折込の代表格は、今年も「食品スーパー」。「自動車」は驚異的な伸び
最も多く見られた業種は、「食品スーパー」。全折込広告の10.8%と大きなウエイトを占め、今年も折込広告の代表格となった。また次いで多く見られたのが「パチンコホール」で、全体に占めるウエイトも10.1%とほぼ「食品スーパー」と互角。この両業種は、前年比も上回っておりここ数年は堅調な伸びを示している。
そんな中、2010年の折込出稿動向で特筆すべきは「自動車」だろう。「自動車」の折込広告出稿は、リーマン・ショック以前から徐々に陰りを見せていたが、リーマン・ショックがさらに追打ちをかけ、その出稿量は当社の2009年度調査における対前年比で73.6%にまで落ち込んだ。ところが、2009年度から開始された「エコカー減税」を背景に、2010年の年初からは徐々に出稿は回復基調となり、2010年6月28日から開始された「高速道路無料化社会実験」がさらに追い風となって、7月・8月と出稿が順調に増え、年間トータルで前年比112.3%と出稿数を伸ばした。また「サイズ」も拡大傾向となり、「多色」も多用されるなど、「自動車」は2010年の折込広告出稿における牽引役の一つとなった。
2010年は、「景気二番底の年」ではないかと懸念されながらのスタートだったが、ふたを開けてみれば、企業の業績が緩やかに回復、それに従い消費も徐々に回復してきた感があった。ただ、その中でも回復の兆しを見せている企業と未だ回復の糸口が見出せない企業との二極化が進んでいる。これは折込広告の出稿状況においても同じといえよう。次回は、通販の折込広告事情に着目していきたい。