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アクアクララ "安全な水"に注文殺到、震災で高まる水の需要

2011年 4月 7日 11:26

1日で1カ月分の申込み

福島第1原発の放射能漏れ事故の影響で東日本の各地で水道水から放射性物質が見つかり、東京都でも乳児の摂取基準を上回る濃度の放射性物質が検出された。発表を受けペットボトル入り飲料水の需要が一気に高まり、一時的にスーパーやコンビニエンスストアの棚が空になる事態となった。現在、パニックとも呼べる状態は緩和されつつあるものの、"安全な水"に対するニーズは急速に高まっているようだ。
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サーバー型の水宅配サービスで業界トップのシェアを持つアクアクララでも、3月11日の地震発生翌日から既存会員の受注が増加。通常であれば1軒あたり12リットル入りのレギュラーボトルで1カ月3本程度が標準的な消費量だが、震災後は10~20本の受注が入ってきたという。こうした衝動買いや買い占めによる急激な受注増を受け、同社では14日に一時的な受注制限に踏み切った。

 一方、新規会員の申し込みも爆発的に増加している。

 地震の翌日から通常の倍にあたる申し込みがあった。この程度の伸びであれば対応は可能だったが、19日に1都5県の水道水から放射性物質が検出されたという発表があり、新規申し込みが通常の10倍にまで増加。さらに23日に東京都で乳児の取水制限が通達されたことを受け、1日で1カ月分の申込軒数にまで膨れ上がった。

 同社の直営店で東京23区を担当するアクアクララレモンには申し込みや問い合わせの電話が殺到。1日平均で500~600本の入電に対し、取水制限翌日の24日には通常時の120倍にあたる7万4000本の入電数にまで増加した。そのすべてに対応することは不可能で、受電できたのは千数百本だったという。

 本社の代表電話にも多くの問い合わせが入ってきた。本部スタッフが総出で電話対応に当たったがそれでもつながらない状況で、インターネットにもアクセスが集中しウェブサーバーが一時的にダウンしてしまった。

 29日以降は少し落ち着いたが、それでも通常時の8倍程度の申し込みだったという。

 新規申し込みをエリア別で見ると、大半は関東圏。特に、23~25日は7割が東京23区で、それ以降は千葉県など東京近郊の地域での申し込みが増えている。また、関東圏以外でも備蓄用としての需要が高まっており、申し込み軒数は増加傾向にあるようだ。

 現在、新規の申し込みについては、初回の納期を2週間~1カ月程度待ってもらっている状況で、同社ではゴールデンウィークまでには通常の体制に戻したいとしている。

 今回の急激な需要の高まりについて、同社では「今後、水道水で高い数値の放射性物質が検出されなければ、徐々に落ち着いてくる」(経営戦略室)とみている。一方で、水道水に対して消費者に芽生えた不安感は根深く「関東近郊で水道水以外の水の需要は当分の間、高止まりするのではないか」(同)としており、今後も水に対する高いニーズは継続しそうだ。


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