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ベルーナ、業務スーパーに参入――多店舗展開も視野

2011年 2月24日 11:35

 ベルーナは2月15日、業務用の食品スーパー事業に参入すると発表した。3月9日に東京・世田谷区に1号店をオープンする予定。精肉や水産物、青果などを販売する。同社の食品通販は、加工食品の頒布会やワイン販売が中心で、生鮮食品はあまり扱っていない。新商品開発や販路拡大による新規顧客開拓のほか、食品販売に関するマーケティグのノウハウ獲得など、通販事業との相乗効果を狙う。将来的には多店舗展開も視野に入れている。

  店舗の名称は「グルメプロ 上野毛店」。半径1キロメートルに競合となる食品スーパーがないことから、テスト店舗の出店先として最適と判断した。店舗は2階建てで、面積は約700平方メートルとなる。初の出店となることから、業務用スーパーで販売経験のある従業員を揃えている。

 主な顧客としては中小飲食店を想定しているが、近隣は住宅地なことから「業務用途での来店と一般消費者の来店の比率はほぼ半々になるのではないか」(松田智博経営企画室室長)としている。飲食店に対してはポスティングチラシで、消費者に対しては折込チラシで集客を図る。

 同社の食品通販は頒布会が中心だが、近年売り上げが伸び悩んでいる。「通販だけでは接触できる顧客が限られている」(同)ことから、実店舗への進出で販路拡大を狙う。業務用スーパーは一般消費者向けに比べ、まとめ買いが多いため、利益を確保しやすいと判断し、試験的に出店する。

 約4000品目を取り扱う。生鮮食品は国産を中心とするほか、同社が頒布会で扱っている加工食品やワインなども店舗で販売する。店舗での販売動向や、接客することで得られるマーケティグのデータやノウハウを通販へ還元。店舗で扱う生鮮食品を通販で販売することも考慮している。

 店舗で獲得した新規顧客の通販への誘導に関しては「衣料品や家具など、別ジャンルの商品を提案していきたい」(同)として、店にベルーナのカタログを置く予定だ。

 同社では昨年11月、茨城県古河市にアウトレット店を期間限定でオープンするなど、実店舗展開を進めている。業務用スーパーに関しては「販売動向次第では多店舗展開を考えたい」(同)としているほか、将来的には衣料品関連の実店舗も開設したい考えだ。
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