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エアウィーヴの現状と今後 高岡会長兼社長に聞く ㊥ 米国での本格展開に着手、海外での学びを吸収できた年に

2025年 2月27日 00:00

 前号に続き、寝具類の製造・販売を手がけているエアウィーヴの通販事業を含めた現状の取り組みや、今後の展開などについて高岡本州会長兼社長に聞いた。)
 

 
 ――2024年にパリ五輪でのオフィシャル寝具サポーター活動と同時並行して取り組んでいたこととは。

 「アメリカ市場での寝具販売の準備がある。当社の副社長が1年半前からロサンゼルスに赴任している。アメリカの市場はグローバルな市場の縮図だと思う。ハイエンドな寝具もあって、スウェーデンの会社では1台250万円程度から、その上は600万円、もっと高いものでは2000万円というマットレスもある。そのほかにもアメリカの会社では環境対応のマットレスなどが伸びていたりと、日本とは違う面がある。現実にそうしたマーケットを作っている人達がいるわけなので、そうしたところから、今のエアウィーヴは果たしてどうしていくべきなのかということを知る機会ができると感じている。

 例えば、1960年に(本田技研工業の創設者である)本田宗一郎氏が(当時はまだ国内展開が中心だった)Hondaのバイクをロードレース世界選手権の『マン島TTレース』に出場させ、海外勢のバイクに勝つことができた。我々も、自社の商品がパリ五輪でのオフィシャル寝具の座を勝ち取ったという実績がある。『五輪』という場を通じて、いわば『レース』で勝てる商品はもう作ることができていたのだが、ただ、それを海外で売るための準備がまだできていなかった。

 そのために今は商品にさらに磨きをかけ、デザインもアップデートしている。そうした学びはこの1年半かけてアメリカで得ることができたので、国内の事業にも活かそうと思っている。商品のMDであったり、売り方であったり両方の部分で。

 そのために、今、副社長がアメリカでマーケティングチームを作りながら、私も現地の報告を受けてパートナー会社ともロサンゼルスに何回も行っている。日本では通販も含めて認知が高くなったが、足りないところはないのか、海外を見てみると、学ぶべきことがまだあるので、それを吸収することができた年にもなった」

竹内まりやさんを広告起用

 ――そのほか、大きな取り組みとしては。

 「広告的な話で言うと、24年は4月から竹内まりやさんにCM曲として『Days of Love』を作っていただいた。『愛がずっと続く、環境も続く、人生もずっと続く』という想いを込めて作ってもらったもの。会社のテーマソングのような位置付けでもあり、マーケティング活動においてもこのメッセージを伝えていきたいと思っている。

 竹内まりやさんは幅広い世代からの支持を得ている方。当社は、マットレスパッドを売り始めた頃のニッチ層に向けたメッセージから、さらにもっと広い世代に向けて包括的なメッセージを伝えていこうというステージに今はなっているのかと考えており、ネットやテレビ通販、新聞広告媒体でもこの曲を使わせていただいている。

 『Days of Love』は我々のメッセージ。愛が続くということ。竹内まりやさんにお願いしたのは、『続く』ということが大事だということで、それは、愛が続く、人生(命)が続くということ。これにもう一つあるのが、我々の責務として、地球を守り続けるということ。環境を破壊しない、つまり我々の寝具が環境配慮型であるということ。これを歌詞の中に取り込んでいただき、曲名としては愛が続くということを表現されているが、そこには命や環境が続くという意味も込められている。

 25年は、より一層この曲を活用していきたいと考えている。曲や映像はとてもメッセージ性の強いコンテンツだと思う。そういう意味で、通販にも活用できる非常に強力なコンテンツができたなと思っている。通販サイトやテレビの中でこの曲を活用することに加え、25年は、曲に関連したコンテンツをもう一つ世に送り出そうとも考えている。こうした取り組みを通じて、顧客に向けて訴求することで、アテンションを取り、信頼を高めることができるだろうと考えている」

 ――企業メッセージの伝え方は重要になると。

 「結局、寝具については、使ってもらった人達の満足度はとても高いのだが、その前の段階である使ってもらうところまでが中々難しい。顧客が我々を信頼してくれないといけないわけなので。そのために、皆さんが信頼されているような(著名なホテルや劇場、医療施設といった)様々な施設に導入されるという実績を作っている。商品の機能と同時に様々な情報アセットを積み重ねていくわけだ。従来は紙媒体やテレビがあったが、そこに曲が加わることになるため、また違う角度から伝わっていく部分があるだろう」
 (つづく)
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