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かどや製油 「ごまセサミン」を投入、拡販図り10億円をめざす

2010年11月30日 15:56

  ごま油最大手のかどや製油が通販展開を強化している。昨年から通販限定商品の投入を開始し、今年7月にはセサミンの健食を発売。ごま専門メーカーとしての強みを生かして拡販を図っている。セサミン市場はサントリーウエルネスが圧倒的なシェアを占めるが、かどや製油ではごま油の認知度と絡めつつ品質や価格で勝負に出る構えだ。

 「当社の原料供給先が300億円のマーケットを持っている。我々としても10億ぐらいは販売しないと」。

 11月8日、中間決算説明会の席上。かどや製油が夏から販売を始めた健康食品「ごまセサミン」について小澤社長はこう展望を述べた。ここでの「原料供給先」とは、セサミン市場のシェアを握るサントリー。

 そもそも、ごま由来の成分であるセサミンの取り扱いについては、サントリーが長らく特許権を所有していた。20年間の期限が切れたのが昨年7月。セサミンが"解禁"となり、ごま油で国内50%のシェアを持つかどや製油としても「原料だけを販売していては駄目」(小澤社長)と自社で製品化した。

 かどや製油が販売する「ごまセサミン」は、90粒入りで税込4410円、270粒入りで同1万290円。この価格帯は、サントリーウエルネスの「セサミンEプラス」の価格帯と全く同じ。

 さらに「セサミンEプラス」の場合は1日3粒を目安とするが、3粒当たりのセサミン含有量は10ミリグラム。一方、かどや製油の「ごまセサミン」は、3粒当たりにセサミンを15ミリグラム含んでいる。

 つまり、全く同じ価格を設定する2商品を比べると、1粒当たりの単価では「ごまセサミン」の方が割安になる。「中身を濃くして値段は安く」(同)というわけだ。

 かどや製油が通販展開を開始したのは昨年7月。最初に通販限定商品として「黒ごま&オリゴ」を投入した。練り上げた黒ごまに乳果オリゴ、蜂蜜、黒砂糖を加えたもので、主に女性層をにらみ商品を開発した。折込チラシなどで販促を図ったところ、今年3月までで当初の目標の2倍である700万円の販売額となった。そして、満を持して投入した「ごまセサミン」。今のところ新聞広告や折込チラシで訴求しており、自社通販サイトをメーンに販売しながら、試験的に一部の生協の共同購入も利用。最も効果的な販売チャネルを模索中とする。

 下期である2010年10月からはこれまでの製品紹介の段階から進み、本格的に拡販へ乗り出す構え。第一段階として10億円の売り上げを目指す。ごま油の認知を武器にどこまで市場に食い込めるか。セサミンの健食を巡る動きに注目したい。

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