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オルビスの通販MD戦略、ニキビケアの展開強化

2010年11月11日 14:15

 昨今の通販化粧品市場では、シミやシワ対策、毛穴ケアなど特定の分野に対する"機能性"を明確に打ち出す企業が少なくない。ニキビケアブランド「クリアシリーズ」を展開するオルビスもその一つ。ニキビケア市場は従来、10代を主要なターゲットとして競争が展開されてきたが、オルビスでは"大人ニキビ"への対応をコンセプトに20代前半の女性層に働きかけ、新たな市場を創出してきた。そのオルビスが今夏、「クリアシリーズ」のリニューアルに併せて広告展開を積極化。20代女性層のマインドシェアの獲得をめざしている。



 「クリアシリーズ」(3アイテム、税込1365円~1785円)は、1990年に発売したオルビスを代表する基幹ブランドの一つ。今年5月、保湿作用を持つ7種類の和漢成分を新たに配合し、リニューアル発売した。

 そのコンセプトは、"繰り返さない大人ニキビ"。過剰な皮脂の分泌が原因となってできる10代のニキビと違い、乾燥やストレスが引き金となる大人ニキビの悩みは、同じ箇所に繰り返しできてしまうこと。外的刺激を受けやすい肌の乾燥を保湿成分が補い、100%のオイルカットで油分が毛穴をふさぐことを防ぐ。オルビスでは20年の研究実績を持つことを背景に大人ニキビのメカニズムを説明する。

 今夏は、女優の多部未華子さんをイメージキャラクターに起用したテレビCMの展開に併せ、モバイルやPCなどネット媒体を中心にバナー広告を出稿するメディアミックスを展開。ターゲットとなる20代前半の女性層のライフスタイルに合わせた媒体選定が奏功し、目標とするCPOを達成する形で新規獲得が進んだという。

 民間信用調査機関によると2009年のニキビケア市場は300億円。だが、一口に「ニキビケア」といっても医薬品による治療を行うものから化粧品まですそ野は幅広く、その規模を正確に把握することは難しい。化粧品分野でも即効性をうたうものや医薬品に近いイメージで訴求するものなど各社の訴求ポイントはさまざまだ。

 こうした中、化粧品市場においてニッチな分野であったニキビケア市場に"大人ニキビ"という新たなコンセプトを持ち込み、顧客の潜在的なニーズに対応した同社。すでに競合ひしめく注目市場となったが、今後、市場でシェアを獲得していくことができるか、展開が注目される。

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