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【ニュースの断層】 グーグルが商品検索開始、カカクコムの対応は?

2010年11月11日 14:06

 グーグルが商品検索に特化した「Googleショッピング」を開始した10月28日。価格比較サイト最大手・カカクコムの株価が急落した。市場は巨人・グーグルの参入を大きな驚異と判断したわけだ。確かに、家電などの購入を考える際に、まずはグーグルで検索するというユーザーは少なくないだろう。価格調査までもがグーグルで完結してしまえば、カカクコムが運営する「価格.com」の出番はなくなってしまう。

 カカクコムはグーグルの新サービスをどう捉えているのだろうか。11月4日の中間決算発表の席上、田中実社長は「グーグルは外部のデータを検索するのは上手だが、当社は内部に蓄積されたデータを提供することで勝負したい」と強気の発言に終始した。

 Googleショッピングは、ワードで検索すると、複数の通販サイトから該当する商品を商品名や価格、画像とともに検索結果に表示される。ただ、レビューやくちコミ情報などを集積する機能はなく、「複数の商品を比較検討する」といった用途には向かない。また「価格.com」はユーザーによる店舗評価があることも強みの一つだが、Googleショッピングだけでは店の評判を知ることはできない。

 「現状では(競合サイトである)コネコネットや比較.comの方がまだしも日本人の買い物の感覚に合っているのではないか」(田中実社長)。ただ、あくまでもGoogleショッピングは試験運用中。グーグルのトップページからも「ショッピング」のリンクをクリックすれば検索できるようになったほか、検索された商品のスペックが表示されるようになるなど、機能も進化している。田中社長も「技術力のある会社だけに軽視はしていない。ユーザーのニーズを読み取って『価格.com』の機能を高めることで対抗したい」とする。

 一方、価格比較サイトに情報を提供する店舗にとって、Googleショッピングの誕生は朗報といえる。「価格.com」は、利用者のクリック数を元にした従量課金で参加費用を徴収する仕組みを採用しているが、ここ数年、一クリックあたりの料金値上げが続いており、大手家電通販サイトからは不満の声も上がっていた。しかし価格比較サイトは「価格.com」の一人勝ちだけに、顧客流入の導線として頼らざるをえないのが実情だった。

 Googleショッピングの場合、検索連動型広告が表示されるだけで、店舗から費用を徴収することはない。そのため、同サイト経由の流入が増えれば「『価格.com』頼みの集客から脱却し、リスクを減らすことができる」(大手家電ネット販売企業の幹部)。そうなれば、クリック料金値上げに歯止めがかかる可能性も出てくるわけだ。

 ただ、現状のサイト構成では「あまり大きな効果は期待できない」(同)。また、検索結果にリアルタイムで価格情報を反映させるには、グーグルのAPIを使ってシステムを開発する必要がある。

 現在、大手家電通販サイトは軒並み検索対象となっているものの、しばらくは様子見という企業が大半のようだ。とはいえ「最安のサイトを効率良く知りたい」というニーズは根強い。「価格.com」に登録していないサイトなど検索対象のサイトが増加し、使い勝手が改善されれば「価格.com」の利用者を一定数奪うことになりそうだ。


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