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ゾゾ PB苦戦で初の減益に

2019年 2月 7日 14:40

 ゾゾは、プライベートブランド(PB)の苦戦などから2019年3月期連結業績が初の減益となる見通しだ。同社は1月31日に通期連結業績を下方修正。本業の利益を示す営業利益は前年比33・8%減の265億円にとどまり、当初計画(前年比22・4%増の400億円)から大きく落とす見込み。

 今期はPB「ゾゾ」が125億円の赤字となる見通しに加え、採寸用スーツ「ゾゾスーツ」による押上げ効果が薄かったほか、広告事業の立ち上げも遅れた。とくに、PBは今期取扱高として200億円を計画していたものの、無料配布したゾゾスーツで体型を計測するユーザーが想定を下回ったほか、製造遅延や品質問題で機会ロスが生じ、今期の取扱高は30億円にとどまりそうだ。

 ゾゾスーツで測ったデータは「ゾゾタウン」でも”自分サイズ検索”として活用できることから、ゾゾスーツはPB事業だけでなく主力のゾゾタウン事業にも波及的な消費貢献を見込んでいたが、想定した効果は得られず、ゾゾタウン事業の第3四半期(4~12月)累計の成長率は当初計画の22・4%に対し、実績は18・5%だった。

 今後、ゾゾスーツはフォーマルアイテムの購入時や海外での体型データ取得用などに限定して利用を継続。カジュアルアイテムについては、ゾゾスーツで取得した100万件以上の体型ビッグデータを活用した体型予測エンジンを3月末までに実装し、それ以降はすべてのカジュアル商材がゾゾスーツなしで購入できるようにする。

 PB展開の核だったゾゾスーツの重要性が薄れることで、PB事業のMD戦略も従来の”満塁ホームラン”狙いを改め、品数を5~10倍に増やす。同時にPB事業でも貫いた自前主義は「時期尚早だった」(前澤友作社長)とし、外部の知見や生産設備も借り、早い段階で最低でも収支トントンの低リスク中リターン事業にしていく。

 一方、昨年12月に開始した、常時10%割引となる有料会員制度(別記事参照)が足もとの取扱高を底上げしており、ゾゾタウン事業の第4四半期の成長率は25・9%を見込んでいる。

 
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