家電・パソコンの通販サイト「ECカレント」などを運営する、ストリーム(本社・東京都千代田区)の業績が伸び悩んでいる。2010年1月期の連結決算は、M&A効果により増収とはなったものの、営業利益はほぼ半減。消費者の買い控えや単価下落の影響を受けたこともあり、単体では減収となった。3年前の上場時には、早期の売上高1000億円到達を掲げていた同社。売上高停滞の原因や、今後の戦略を劉海涛社長に聞いた。
前期は減益に終わったほか、単体では減収となった。
「イーベストと特価COMを子会社化したことで増収とはなったが、仕入れや倉庫、運営フローを統合したことで機会損失が起きた。ただ、突貫工事を行い数カ月で終わらせることができたため、最低限の損失で済んだ。そのため、第1四半期と第2四半期は厳しかったが、第3四半期はトントン、第4四半期はマイナス分を取り返している。第4四半期からは統合した効果が出てきているわけだ」
倉庫は1カ所に統合したのか。
「そうだ。ただ、今期は5月に倉庫を千葉県の市川市から、神奈川県の厚木市に移転した。以前は大きな倉庫に間借りしていたが、新倉庫は一棟借りで自社運営だ。面積も2000坪から3000坪となったため、白物家電など品揃えを拡充したほか、出荷効率が向上し、物流経費削減につながっている」
倉庫管理システム(WMS)も導入した。
「自社で物流を運営するためには不可欠なものだ。業務フローが改善されれば、当然経費も1~2割は削減できる」
昨年11月にはECカレントで送料無料になる購入金額を5000円から8000円に引き上げた。送料無料キャンペーンを行う会社が増える中で、流れに逆行しているのでは。
「他社と同じことする必要はない。重要なのは一つの注文でどれだけ利益が取れるかだ。確かに、注文数は多少下がったが、平均単価は上がっている。送料関連での過剰なサービス合戦は赤字を拡大するだけだろう」
ECカレントのほか、イーベストと特価COMと家電関連では3サイトを運営している。今後の運営体制に変化はあるのか。
「将来的には統合する可能性もあるが、顧客が大きくバッティングしているわけではないので、現在の体制を継続する予定だ。イーベストはベスト電器に親近感を持つ顧客が多いし、特価COMにもパソコン関連を中心に固定客がいる」
3年前の上場時は売上高1000億円の早期到達を掲げていたが、前期の連結売上高は約336億円だった。現状では難しいのでは。
「目標を捨てるわけではないが、停滞していることは事実だ。当社の問題だけではなく、環境の変化もあった。当時は安売りだけで1000億円を達成できると思っていたが、そうはいかなかった。きちんと利益を出しながら、売り上げを伸ばしていく。そのために重要になってくるのはブランド力だろう。知名度が上がれば、安売り路線から舵を切ることもできるからだ。ただし、"安い"というイメージは維持していきたい」
どのようなブランド戦略を展開するのか。
「今期の後半から取り組む。具体策はこれから考えたい。先般発表されたサービス産業生産性協議会の顧客満足度ランキングでは、ECカレントが2位となったが、売り上げ面で効果があった。もっと知名度を上げていきたい」
劉社長は以前から、ライバルとしてアマゾンを意識する旨の発言を繰り返してきた。今後アマゾンに対抗するには何が必要か。
「当社の場合、アマゾンに対しては家電専門という優位性があり、他の家電関連のネット通販に対してはシステム面での優位性がある。ただ、アマゾンには知名度の点で圧倒的に負けている。ブランド戦略を展開するにも段階が必要で、まずは物流面の不安をなくす必要があった。さらに、今後はEDI(電子データ交換)を構築し、雑貨など、家電以外の商品も取り扱っていきたい。この2つをクリアすれば、次のステップに進むことができるだろう」
食料品や生活雑貨を取り扱うヤマダ電機の店舗のようなイメージのサイトになるのか。
「そうだ。家電だけではリピートしてもらうのは難しい」
前期は減益に終わったほか、単体では減収となった。
「イーベストと特価COMを子会社化したことで増収とはなったが、仕入れや倉庫、運営フローを統合したことで機会損失が起きた。ただ、突貫工事を行い数カ月で終わらせることができたため、最低限の損失で済んだ。そのため、第1四半期と第2四半期は厳しかったが、第3四半期はトントン、第4四半期はマイナス分を取り返している。第4四半期からは統合した効果が出てきているわけだ」
倉庫は1カ所に統合したのか。
「そうだ。ただ、今期は5月に倉庫を千葉県の市川市から、神奈川県の厚木市に移転した。以前は大きな倉庫に間借りしていたが、新倉庫は一棟借りで自社運営だ。面積も2000坪から3000坪となったため、白物家電など品揃えを拡充したほか、出荷効率が向上し、物流経費削減につながっている」
倉庫管理システム(WMS)も導入した。
「自社で物流を運営するためには不可欠なものだ。業務フローが改善されれば、当然経費も1~2割は削減できる」
昨年11月にはECカレントで送料無料になる購入金額を5000円から8000円に引き上げた。送料無料キャンペーンを行う会社が増える中で、流れに逆行しているのでは。
「他社と同じことする必要はない。重要なのは一つの注文でどれだけ利益が取れるかだ。確かに、注文数は多少下がったが、平均単価は上がっている。送料関連での過剰なサービス合戦は赤字を拡大するだけだろう」
ECカレントのほか、イーベストと特価COMと家電関連では3サイトを運営している。今後の運営体制に変化はあるのか。
「将来的には統合する可能性もあるが、顧客が大きくバッティングしているわけではないので、現在の体制を継続する予定だ。イーベストはベスト電器に親近感を持つ顧客が多いし、特価COMにもパソコン関連を中心に固定客がいる」
3年前の上場時は売上高1000億円の早期到達を掲げていたが、前期の連結売上高は約336億円だった。現状では難しいのでは。
「目標を捨てるわけではないが、停滞していることは事実だ。当社の問題だけではなく、環境の変化もあった。当時は安売りだけで1000億円を達成できると思っていたが、そうはいかなかった。きちんと利益を出しながら、売り上げを伸ばしていく。そのために重要になってくるのはブランド力だろう。知名度が上がれば、安売り路線から舵を切ることもできるからだ。ただし、"安い"というイメージは維持していきたい」
どのようなブランド戦略を展開するのか。
「今期の後半から取り組む。具体策はこれから考えたい。先般発表されたサービス産業生産性協議会の顧客満足度ランキングでは、ECカレントが2位となったが、売り上げ面で効果があった。もっと知名度を上げていきたい」
劉社長は以前から、ライバルとしてアマゾンを意識する旨の発言を繰り返してきた。今後アマゾンに対抗するには何が必要か。
「当社の場合、アマゾンに対しては家電専門という優位性があり、他の家電関連のネット通販に対してはシステム面での優位性がある。ただ、アマゾンには知名度の点で圧倒的に負けている。ブランド戦略を展開するにも段階が必要で、まずは物流面の不安をなくす必要があった。さらに、今後はEDI(電子データ交換)を構築し、雑貨など、家電以外の商品も取り扱っていきたい。この2つをクリアすれば、次のステップに進むことができるだろう」
食料品や生活雑貨を取り扱うヤマダ電機の店舗のようなイメージのサイトになるのか。
「そうだ。家電だけではリピートしてもらうのは難しい」